物事のはじまりにも終わりにも使われる「潮時」、どちらの意味が正しいの?

「潮時」は、物事を始めるのにちょうどいいという意味でも、逆に引き際として終わりをあらわす際にも用いられる言葉です。
では、はじまりと終わりどちらをあらわす言葉として成立したのでしょうか。

そこでここでは、「潮時」という言葉についてご紹介します。

「潮時」の元々の意味

まずは「潮時」がもともと指していたものを見ていきましょう。

「潮時」の意味は、好機・ちょうどいい時期

潮時は、物事を始める好機をあらわします。
何かをするのにちょうどいい時期を指すので、チャンスを指しているという事になります。

「潮時」の由来

「潮時」は、文字通り潮の満ち引きから来ています。

海には潮の満潮干潮があり、海面の状況は変わります。
満潮は海水面が高い状態、干潮は海水面が低い状態になります。

そして、満潮で海面が高くなっている時は漁に出る絶好のタイミングとなります。
そこから、物事を始めるのに最適な時間を「潮時」を表現するようになったとされています。

もとの意味としての「潮時」の類義語

ここからは「潮時」の類義語について見ていきましょう。

好機・チャンス

「好機」や「チャンス」は、何かをするのに絶好の時期のことです。
またとない良い機会をあらわしています。

つまり、物事を始めるのにうってつけなタイミングとなります。

転機

「転機」は、現状から状況に変化が生じるきっかけをあらわしています。
例えば人生の「転機」ならば、これまでの生活から大きな変化が生じる予兆があるという事になります。

頃合い

「頃合い」は、何か行動を起こすのに最適なタイミングのことを指します。
「頃合いを見て」のように、何かを始めるタイミングをうかがう際に用いられることが多くあります。

終わりの意味でも「潮時」って使うけど?

「潮時」は始まりだけではなく、日常では物事を終わらす際にも使われます。
ここからは、この終わりをあらわす「潮時」について見ていきましょう。

引退や辞め時の意味でも使われる「潮時」

「潮時」は、引退や辞め時などを指す表現としても用いられます。
例えば「そろそろ潮時だ」というと、何かを諦めて引く際に用いられます。

現在は「ものごとの終わり」の意味で使う人も多い?

「潮時」は、物事を始める好機を意味する言葉として生まれました。
しかし、現在は物事の終わりとして「潮時」を用いられることも多いです。

文化庁の調査によれば、潮時を本来の「好機やちょうどいい時期」の意味で用いる人の割合は約60%。
それに対し、物事の終わりをあらわす語と認識している人の割合は約36.1%でした。

つまり、3人に1人以上の人は、「潮時」を終わりをあらわす際に使っているということになります。

類義語は「引き際」?

潮時を、物事の終わりをあらわす言葉とした場合、その類義語としては「引き際」があげられます。
「引き際」とは、仕事や役職、地位などから離れるタイミングの事です。

まとめ

「潮時」は、もともと好機やちょうどいい時期をあらわし、ものごとを始める際に用いられる言葉でした。
しかし、近年は終わりのことをあらわす言葉として用いられる事もあります。

ポジティブな意味合いでも、ネガティブな用い方もしますので、「潮時」と言われたらどちらの意味で用いているか文脈を読む必要がありますね。

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