
素直で遠慮がない様子を表現する「ざっくばらん」。
もったいぶることがない様子を指す際にも用いられます。
ではなぜ、それらの状況を「ざっくばらん」と言うのでしょうか?
ここでは、「ざっくばらん」と由来や類義語、同じような意味合いで使用される「単刀直入」と「大雑把」との違いなどを見ていきます。
目次
「ざっくばらん」とは

まずは「ざっくばらん」という言葉について、その意味や同様の意味で使用されることもある「単刀直入」と「大雑把」との違いを見ていきましょう。
「ざっくばらん」の意味
「ざっくばらん」とは、遠慮がなくて率直な態度に対して用いられます。
他人行儀ではないことを表現する言葉のひとつでもあります。
また、ありのままを飾りなく発言・行動することもあらわしています。
隠し事をしない、気取っていない人物にも使用されます。
「単刀直入」や「大雑把」との違い
「ざっくばらん」に似た言葉に「単刀直入」「大雑把」があります。
では、これらの言葉とは何が違うのでしょうか?
「単刀直入」との違い
「単刀直入」とは、前置きや遠回りをせずに要点に入ることを言います。
くどい言い回しは避け、結論だけを伝えることを指す言葉です。
一見すると「ざっくばらん」と似ているかもしれません。
しかし、「ざっくばらん」は遠慮なく素直な態度や様子に用いられます。
なのでもしかしたら、説明する際は理解を深めてもらうために単刀直入な解説だけでなく例え話を挟んだり、違う話をすることもあり得ます。
そのため、ざっくばらんな態度の人は単刀直入な話しかしないわけではありません。
「大雑把」との違い
「大雑把」とは、細かいところまで注意が行き届かない態度や行動を意味します。
また、細かいところを気にせず全体感だけで行動に移す人などにも用いられます。
つまり、「大雑把」は粗雑や大体といった意味に近い言葉です。
そのため、物事の見方や扱い方が曖昧なままであることもあります。
「ざっくばらん」な人というのは、人の心の機微に細かかったり懇切丁寧であることも十分あり得ますので、「ざっくばらん」な人=「大雑把」な人とは言い切れません。
「ざっくばらん」の由来

「ざっくばらん」とは、どのようにして生まれた言葉なのでしょうか?
ここでは「ざっくばらん」の成り立ちについて、諸説ある中からいくつかの説をご紹介します。
「ざっくり」+「ぱらり」から来たとする説
「ざっくり」と「ぱらり」が合わさって生まれたという説があります。
これはふたつとも擬態語です。
ざっくりは心を大きく開く様子を、ぱらりは重々しさがなく軽やかに口を利くといった様子が想像される言葉です。
江戸時代は、同じ意味で「ざっくばらり」と表現されることももあったのだとか。
「四角張る」から来たとする説
また、「四角張る」から来たという説もあります。
堅苦しいことや格式張ったことを意味する「四角張る」という古い表現があります。
この言葉の否定形として「四角張らぬ」という表現が生まれ、それが「さくばらん⇒ざくばらん⇒ざっくばらん」と転じていったとも考えられています。
「ざっくばらん」の類義語

最後に「ざっくばらん」の類義語を見ていきましょう。
「ざっくばらん」の類義語には「開けっ広げ」や「明け透け」などがあげられます
開けっ広げ
「開けっ広げ」は、心中や物事を包み隠さず明らかにすることを意味します。
これは、戸や窓などを全開にしている様子を指していた言葉なのだとか。
戸や窓が全部開いていたら、もちろん建物の中はすべてしまいます。
そこから、何もかもさらけ出すことも「開けっ広げ」と表現するようになったとされています。
包み隠さないという点が「ざっくばらん」と共通しています。
明け透け
「明け透け」とは、ありのままで露骨なことを言います。
特にまったく包み隠しのないことを言った表現です。
これは、心中や物事を明るみにするところから来た言葉です。
かつては物と物の間から向こう側が覗ける様子を「明け透け」と表現されていました。
それが転じて、包み隠さないことの表現として変化していったとされます。
まとめ
「ざっくばらん」は、遠慮がない素直な態度に対して用いられます
これは「ざっくり」と「ぱらり」が合わさって生まれたとも「四角張る」という言葉が変化したとも言われています。