くどくどした物言いに対して「御託はいい」と返したりするけど・・・この「御託」ってなに?

しつこい物言いなどに対して「御託はいい」と言ったりすることがあります。
この「御託」とは、くどくどした言い回しなどをあらわす言葉です。
しかし、もともとは違うものをあらわしていました。

そこでここでは、「御託はいい」の「御託」が何をあらわしているのかを見ていきましょう。

「御託」はもともとありがたいものだった!

今でこそ「御託」は、ネガティブな意味合いで使われることが多いですが、昔はそんなことはありませんでした。
では、まずもともとの「御託」という言葉について見ていきましょう。

御託は「御託宣」の略

御託は、もともと「御託宣」というものの略語にあたります。
「御託宣」とは、神仏のお告げのことです。
つまり、神様からのありがたい言葉だったわけです。

しかし、ありがたい言葉だったものが、なぜネガティブな意味で使われるようになったのでしょうか。

日常語としての「御託」

日常語としての「御託」はもともとの存在と乖離しています。
現代では特にポジティブな意味で使用されることがほぼありません。

ここからは日常的に使用する「御託」について見ていきましょう。

「御託を並べる」などにおける「御託」の意味

御託は、現代では「御託を並べる」「御託はいい」といった用い方をされます。
どちらも自分勝手な言い分をさも偉そうに盛んに言いたてることを指しています。

特にくどくどした物言いをあらわす表現となっています。

冷やかしの意味でも使われる「御託」

また、人の下した判断や命令を冷やかす際に使われます。
「社長であるあなたからの御託じゃあ仕方ないですな」といった風に、上からの物言いに対して用いられることがあります。

物言いをあらわすようになったのは「御託宣」の様子から

「御託」が偉ぶった物言いをあらわすようになったのは、語源となった「御託宣」の様子が関係しています。

かつて、御託宣は巫女などによる神仏のお告げを厳かに行っていました。
しかし、その巫女の口振りが実にもったいぶったものでした。

この口ぶりを偉そうだとカチンときた人がいたのでしょう。
次第にもったいぶった偉そうな物言いを「御託」といいあらわすようになったとされています。

「御託を並べる」の類義語

ここからは「御託」を用いた「御託を並べる」の類義語について見ていきましょう。
「能書きを垂れる」「四の五の」「>四の五の」などがあげられます。

能書きを垂れる

「能書きを垂れる」とは、自分が他人より優れているものや得意なことを言い立てる様を表現する言葉です。
ちなみに「能書き」とは、薬などの効能を書き記した文書のこと。

江戸時代の薬事法などがなかった時代、薬屋は薬を売るために「この薬はあれにも効くこれにも効く」と効能を並べ立てていたそうです。
そこから優れた物事をまくしたてることを能書きと言うようになったのだとか。

その後、あれこれと言いたてることを「能書きを垂れる」と表現するようになったわけです。

四の五の

「四の五の」は、あれこれ(言うこと)といった意味で使われる言葉です。
江戸時代の中頃に現れた表現だとされています。

いろいろな不平不満を並び立てる人に対して「四の五の言うな」といった言い方で使われることが多いです。

あれこれ言う余地がないほど素晴らしい、という意味で「四の五もなし」という表現もあります。

長広舌

「長広舌」とは、長々と喋りたてることをあらわした言葉です。
また、熱意の溢れた雄弁などをあらわすこともあります。

この言葉も相手の状況を考えずに言いたてることをあらわします。

まとめ

「御託」は、「御託宣」を略した言葉です。
「御託宣」自体は、神仏のお告げのことをあらわしています。
つまり、もともとはありがたい言葉だったのです。

しかし、神様のお告げを伝える巫女の物言いが偉そうだという事で、次第に「御託を並べる」のような悪い意味で用いられるようになりました。
現代ではくどくどとした表現を総じて「御託」といいます。

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