「無理が通れば道理が引っ込む」とはどんな意味?どのような状況で使う言葉?

不正がまかり通る世の中を「無理が通れば道理が引っ込む」と表現することがあります。
この言葉は、秩序が揺らいでいることを批判する際に使用される表現です。

そこでここでは、「無理が通れば道理が引っ込む」という言葉についてその意味や由来、類義語について見ていきましょう。

「無理が通れば道理が引っ込む」とは

 

まずは「無理が通れば道理が引っ込む」がどのような言葉なのかを見ていきましょう。

「無理が通れば道理が引っ込む」の意味

「無理が通れば道理が引っ込む」とは、道理に外れたことが幅を利かせるようになると正しいことが行われなくなる、ということを意味します。
不法がまかり通っていることを批判する言葉でもあります。

「江戸かるた」の一枚

「無理が通れば道理が引っ込む」は、江戸かるたの1枚に数えられています。

江戸かるたとは、江戸時代に江戸を中心にした東日本社会で普及していたかるたです。
他には京都大阪を中心にして普及していた「上方かるた」、尾張国の「尾張かるた」などがあります。
いずれことわざが札になっているという点は共通していますが、そこに書かれていることわざは同じとは限りません。

「無理が通れば道理が引っ込む」の由来とは

 

ここからは「無理が通れば道理が引っ込む」という言葉の由来について見ていきましょう。

「無理」が持つ意味

「無理が通れば道理が引っ込む」の「無理」とは、道理に反しており筋道が通っていないことをあらわしています。
「道理」とはそのぎゃくで、正しい道筋が通っていることです。

つまり「無理が通れば道理が引っ込む」は悪が平気で蔓延るようになれば、正義が失われるということを指しています。

「無理に通れば道理が引っ込む」ではない

「無理が通れば道理が引っ込む」を、「無理に通れば道理が引っ込む」と表現することはありません。
「無理に通れば」だと、力づくで通る様子や無理強いしてねじ込む様子などの表現となり、意味合いが変わってしまいます。

「無理が通れば道理が引っ込む」の類義語

 

最後に「無理が通れば道理が引っ込む」の類義語をまとめます。
「石が流れて木の葉が沈む」「勝てば官軍負ければ賊軍」「悪盛んなれば天に勝つ」などが類義語としてあげられます。

石が流れて木の葉が沈む

「石が流れて木の葉が沈む」は、物事のあり方が道理とは逆になっていることの例えです。
石は沈み木の葉は水に流されるというのが自然の摂理です。

しかし、「石が流れて木の葉が沈む」は、沈むべきはずの石が流れ、浮いて流れるはずの木の葉が沈んでしまうという表現になっています。
このありえない状況から来たのが「石が流れて木の葉が沈む」という表現となっています。

勝てば官軍負ければ賊軍

「勝てば官軍負ければ賊軍」とは、勝てば何とでも理屈がつき、負ければ本来は正しくとも間違っていたと歪曲されることを意味します。
正邪は勝敗によって決まることを表現した言葉となります。

悪盛んなれば天に勝つ

「悪盛んなれば天に勝つ」とは、味方が多くて勢力の強い時には非道なことをしてでも栄え、天の正しい意志をも凌ぐように見えることの例えです。
その一方、実際には天の正道が定まると邪悪は滅ぼされることも指します。

これらの言葉は「無理が通れば道理が引っ込む」と共通した意味を持っています。

まとめ

「無理が通れば道理が引っ込む」とは、悪が蔓延すれば正義が失われることを指す表現となります。
この表現は、江戸かるたに採用されたことで普及したと言葉ともされています。

その類義語としては、「石が流れて木の葉が沈む」「勝てば官軍負ければ賊軍」「悪盛んなれば天に勝つ」などがあげられます。

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