「安心立命」とはどんな意味の四字熟語?その由来は?読み方は「あんしんりつみょう」?「あんしんりつめい」?

天命に身を任せて動揺しないことをあらわす言葉のひとつ「安心立命」。
この言葉は、仏教用語としてなのか儒教用語としてなのかによって読み方も変わってきます。

ここでは、この「安心立命」という言葉について見ていきましょう。

「安心立命」とは

 

まずは「安心立命」という言葉について見ていきましょう。

「安心立命」の意味

「安心立命」とは、心を安らかにすることでどのような時にも動揺しないことを表現した四字熟語です。
物事がどうなるか、その行く末を右往左往するのではなく、心を落ち着かせて迎えるような心構えを持つことに対して用います。

「安心立命」の読み方は四字熟語と仏教用語で異なる!

「安心立命」という四字熟語の読みは、「あんしんりつめい」となります。
しかし、仏教用語としては「あんじんりゅうめい」「あんじんりゅうみょう」などと読みます。

多くの場合は、四字熟語として用いると思いますので、「あんしんりつめい」という読みの方が一般的といえます。

「安心立命」の成り立ち

 

「安心立命」は、どのようにして生まれた言葉なのでしょうか。

「立命」は仏教用語ではなく儒教の言葉

「安心立命」は、西暦960年頃から始まった中国王朝・北栄時代に生まれた言葉とされます。
人事をつくし天命を待つ、という意味合いで儒教の中で生まれた言葉でした。
それが、仏教の中でも用いられるようになり、特に禅宗における悟りの境地を開くことにまつわる語句となりました。

「安心立命」の類義語

 

「安心立命」の類義語となる四字熟語を見ていきましょう。
類義語としては、「安心決定」や「泰然自若」などがあげられます。

安心決定(あんじんけつじょう)

「安心決定」とは、信念を得て心が動じなくなることです。
先の見通しが確定することで、この先のことに対して少しも不安がなくなることとなります。

この言葉も、もともと仏教用語で、浄土宗や浄土真宗で使用されています。
浄土宗や浄土真宗では、阿弥陀仏の救いをかたく信じ、消して揺るがない篤い信心を指す言葉となります。

泰然自若

「泰然自若」とは、落ち着いていて物事に動じないことをあらわします。
「泰然」も「自若」も古くから使用されてきた言葉ですが、両方を繋げて使用するのは近代以降のことなのだとか。

「泰然」は落ち着いた様子を、「自若」は慌てることのない様子をあらわしています。

まとめ

「安心立命」は、どのような時にも動揺しない様子をあらわす言葉です。
もともとは北宋時代に儒教の中で用いられるようになった言葉が、後に仏教でも用いられるようになり日本にも入ってきたとされています。

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