「春宵一刻値千金」、なぜ春の夜が非常に高価な価値があるとされるの?言葉の意味や由来は?

春の夜の良さを謡った言葉に「春宵一刻値千金」があります。
これは趣のある春夜は千金の価値があることを言った言葉です。

しかし、なぜ春の夜がそこまで価値のあるものとされたのでしょうか。
ここでは、この「春宵一刻値千金」という言葉について見ていきましょう。

「春宵一刻値千金」とは

 

まずは「春宵一刻値千金」という言葉の意味を見ていきましょう。

「春宵一刻値千金」の意味

「春宵一刻値千金」とは、春の夜は趣が深く、その時間は千金にも値するということの例えです。

「春宵」は、春の夜のことを意味します。
「一刻」は、わずかな時間を指します。
「千金」は、千両や大金を表す言葉です。

つまり、春の夜というわずかな時間は大金に値するほど価値があることを言った言葉なのです。

「春宵一刻値千金」の由来

 

では「春宵一刻値千金」とは、どのようにして生まれた言葉なのでしょうか。
ここからは、この「春宵一刻値千金」の語源を見ていきましょう。

由来は古代中国の詩の一節から

「春宵一刻値千金」は、蘇軾の詩「春夜」の一節から来ています。
この詩の中に「春宵一刻直千金 花有清香月有陰 歌管楼台声細細 鞦韆院落夜沈沈」という一節から来ています。

これは「春の夜は一瞬であっても千金の価値がある。花は清らかに香り、月はおぼろに霞む。夜になると歌声や楽器の音が鳴り響いていた楼閣も静まり、遊具のある中庭で戯れる人もなく、夜が静かに更けてゆく」ことを意味しています。
つまり、「春の心地の良い夜の時間は大金に相当するほど価値がある」ということを謡った内容なのです。

この詩は、日本では春の夜の素晴らしさを表現した一句として知られています。
しかし、この言葉の発祥である中国では男女の恋情を表現する一句とされています。

「春宵一刻値千金」が歌詞に含まれている名曲がある!

 

日本には「春宵一刻値千金」を歌詞に含む楽曲があります。
その楽曲とは、滝廉太郎の「花」です。

ここでは、この曲についても見ていきましょう。

瀧廉太郎の「花」の一節にある「春宵一刻値千金」

日本には「春宵一刻値千金」が歌詞に含まれる名曲があります。
それが、滝廉太郎の「花」という楽曲です。
「春のうららの隅田川」からはじまるこの曲は、聞いたことがある人や歌ったことがある人も多いかもしれません。

この「花」という曲の3番の歌詞に「げに一刻も 千金のながめを何に たとうべき」とありますが、これは「春宵一刻値千金」から来た歌詞とされています。

まとめ

「春宵一刻値千金」は、春の夜の良さを説いた言葉です。
中国の詩人が謡った一節から来た言葉とされます。
春の夜のわずかな時間は、大金に値することを言っています。

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