「見当違い」とはどんな意味の言葉?「お門違い」や「筋違い」との違いは?

憶測や判断を誤ることを表現する「見当違い」。
この言葉は、方向を間違っていた際にも用いられます。

ここでは、この「見当違い」がどのような言葉なのか、その意味や由来について見ていきましょう。

「見当違い」とは

 

まずは「見当違い」という言葉について、その意味を見ていきましょう。

「見当違い」の意味

「見当違い」には、大きく2つの意味があります。

1つ目が、憶測や判断を誤ることです。
この場合、考えたことが的を射ていないことを言います。

2つ目が、方向を誤ることです。
この場合、目指すべき方向が間違っていることを言います。

目標や目的、方針などをが根本的に間違っていたという場合に用いられます。

「見当はずれ」も意味は同じ

「見当違い」と語感が似ている表現に「見当はずれ」という言葉があります。
この言葉も、用いられる場面や意味合いはほとんど同じです。
そのため、どちらを使用しても問題はありません。

「筋違い」「お門違い」との違い

 

「見当違い」に似ている表現となる「お門違い」や「筋違い」との違いについて見ていきましょう。

「筋違い」とは

「筋違い」は、道理にあっていない行動や考え、条理に外れていることを指す言葉です。
感情や言動に行き違いがあることに対しても用いられます。

また、体を急に動かしたりと無理に動かすことで傷めることや、特定の物に対して斜めの位置に存在することをあらわす語句として用いられることがあります。

「お門違い」とは

「お門違い」は、間違った家や人のもとへ訪れることや、間違った方向を目指すことを意味します。
道理を間違えているという、筋違いと同じ意味合いで用いられることもあります。

「見当」は浮世絵の作り方から

 

では「見当違い」の「見当」はどこから来たのでしょうか。

「見当」の由来

「見当」は江戸時代の浮世絵から生まれた言葉とされます。

版画で摺られていた浮世絵は、分業制により行われていました。
原画を描く人がいれば、絵を板に彫る彫師や、絵を紙に摺る摺師など多くの職人がそれぞれの仕事をまっとうすることで、ひとつの浮世絵が完成していました。

江戸時代中期には、多色刷りが発達したことで、色ごとの版木が複数必要となりました。
そこでそれぞれの版木ごとに、絵がずれないよう目印をつけたのです。

その目印を「見当」といいます。
そこから「見当」という言葉が広まり、「見当をつける」という言葉が生まれたとされています。

逆に、目印となる「見当」がずれることを「見当違い」と言うようになったのです。

「見当」と「検討」との違い

「検討」は、じっくり調べた上で考えることです。
「見当」は、目印の意味から大体の方向や方角という意味でも用いられます。

まとめ

「見当違い」は、憶測や判断が違うことをあらわす言葉です。
目標とする進むべき方向自体を間違っていることに対しても用いられます。

この言葉は、江戸時代に浮世絵を刷る際の様子から生まれた言葉となっています。

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