僅かな労力で大きな価値のものを得ることを表現する「海老で鯛を釣る」。
この言葉は、一種のローリスクハイリターンをあらわす際にも使用されます。
ここでは、この「海老で鯛を釣る」という言葉について、その意味や成り立ち、類義語・対義語について見ていきましょう。
目次
「海老で鯛を釣る」とは
まずは「海老で鯛を釣る」という言葉について、その意味などを見ていきましょう。
「海老で鯛を釣る」の意味
「海老で鯛を釣る」とは小さな労力で価値の大きなものを得ることをあらわす例えです。
疑似餌やルアーを使わずに釣りをするなら、餌となる生き物を用意する必要があります。
その際に、安価で手に入るエビで以て魚の王様ともいわれる、姿も美しく味も良くタイ、特にマダイを釣りあげようとする様子から生まれた言葉です。
また、小さな犠牲を払うことで大きな効果を得るという意味でも用いられます。
小さな負担を元手にして大きな利益を得る、あまり労力をかけずに結果を出すといった一種のローリスクハイリターンをあらわす際に用いられます。
他にも、わずかな心ばかりの贈り物をしたら多大な返礼を受けるという意味で使用されることがあります。
「海老鯛」と略されることも
「海老で鯛を釣る」は「海老鯛」と略されることもあります。
この表現は、江戸時代の中頃から使われるようになったとされています。
もちろん、省略形なのでその意味は「海老鯛」と「海老で鯛を釣る」で変わりはありません。
「海老で鯛を釣る」の類義語
ここからは「海老で鯛を釣る」の類義語を見ていきましょう。
類義語としては、「麦飯で鯉を釣る」「一獲千金」などがあげられます。
麦飯で鯉を釣る
「麦飯で鯉を釣る」は、わずかな元手で大きな利益を得ることの例えとなる言葉です。
ほとんど労力をかけずに結果を出すようなことを言います。
「海老で鯛を釣る」と同じ意味の言葉なので、海老が麦飯に置き換わっただけとも言えるかもしれません。
一獲千金
「一攫千金」とは、一度に巨額の利益を得ることの例えです。
「一攫」には一掴みのことを、「千金」とは大金のことです。
現代では、チャンスという意味で使用されることが多いです。
しかし、もともと人生大逆転というニュアンスは含まれていません。
「海老で鯛を釣る」の対義語
最後に「海老で鯛を釣る」の対義語も見ていきましょう。
対義語としては、「労多くして功少なし」「大山鳴動して鼠一匹」などがあげられます。
労多くして功少なし
「労多くして功少なし」とは、大変な苦労をしたのにも関わらず成果に乏しく報われないことをあらわしています。
努力した割に結果が思わしくなかった際に使用されます。
また、結果は上々であっても正当に評価されなかった時などにも使用されます。
大山鳴動して鼠一匹
「大山鳴動して鼠一匹」とは、前触ればかり大きく取るに足らない結果を迎えたことを意味する言葉です。
大きな山々が大きな音を響かせ揺れ動いていたので、大噴火の予兆かと思っていたら、ハツカネズミが生まれただけだったというイソップ寓話からきた西洋のことわざを翻訳したものです。
まとめ
「海老で鯛を釣る」は、僅かな労力で大きな価値のものを得るという意味の言葉です。
また、小さな犠牲を払うことで大きな効果を得る、ということを言う際にも用いられます。
労力をかけずに成果を得るという意味でも用いられます。