「とこぶし」と「あわび」は別物?それとも「とこぶし」は小さい「あわび」?

似たような貝類に、とこぶしとあわびがあります。
これら貝類は見た目が似ているものも多々存在します。
事実、とこぶしが成長してあわびになると思っている人もいるくらいです。

しかし、実際のところとこぶしとあわびは別物です。
今回はそれらとこぶしとあわびについて解説します。
特にそれぞれの違いについて説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

「とこぶし」が成長しても「あわび」にはならない

とこぶしが成長するとあわびになるという話は嘘です。
ここではまずそれらの話からさせていただきます。

「とこぶし」と「あわび」は別の生き物

とこぶしとあわびは似たような海の幸として知られます。
実際にとこぶしとあわびは同じ海産物として扱われることが多々あります。

確かにどちらも同じミミガイ科の生き物ではあります。
しかし、厳密にはとこぶしとあわびは別の生き物です。
中にはとこぶしが成長するとあわびになると思っている人もいるのですが、はっきりとした違いもあるのです。

「とこぶし」と「あわび」の違い

ここからはとこぶしとあわびの違いを見ていきましょう。

生息場所

とこぶしとあわびは生息場所がそもそも違います。

とこぶしは北海道~九州にかけての日本海及び太平洋沿岸に生息している貝類となります。
こちらは水深10m付近の浅い海に分布しているのが特徴です。

あわびも北海道~九州にかけての日本海及び太平洋沿岸に生息している貝類となります。
こちらは水深20m付近の深い海に分布しているのが特徴です。

おおきさ

とこぶしとあわびは大きさも異なります。

とこぶしは最大でも約12cm前後までしか成長しません。
あわびは最大となると約20cm~25cm前後にまで成長します。

つまり、とこぶしよりもあわびの方が大きいことが多いわけです。

殻にある穴の数

とこぶしとあわびは殻にある穴の数も変わってきます。

とこぶしは6個~9個ほどの穴が開いているそうです。
対してあわびは4個~5個ほどの穴が開いているのだとか。

▼とこぶし
とこぶしの殻

つまり、とこぶしよりあわびの方が穴の数も少ないということになります。

「とこぶし」と「あわび」の名前の由来

ここからはとこぶしとあわびの名前について見てみましょう。

「とこぶし」の名前の由来

とこぶしは漢字表記で「常節」「床臥」「床伏」と書きます。
これは常に海の底にある岩に張り付いているところから来ているのだとか。
その海底の岩にくっついた姿が名前の語源なのです。

なお、地域によっては「ながれこ」と呼ばれることもあるのだとか。
これら別の呼称に関しては干潮時に岩などを動かすと流れるように逃げていく様子から来ているそうです。

「あわび」の名前の由来

あわびは漢字表記で「鮑」と書かれます。
これは「魚」と「包」を組み合わせたものとなります。
他にも「蚫」や「鰒」という漢字があわびと読まれるそうです。

これらは楕円形の殻に覆われて岩に付着する姿が身を包んだように見えるところから来ているとされています。
それらの姿がそのまま語源になっているわけです。

また、これらの漢字表記には腹を開いて塩漬けにした魚という意味もあるそうです。
そのため、もともとは魚を模して名前が付けられたという可能性もあるのだとか。

まとめ

とこぶしとあわびは似ているものの別物です。
事実、とこぶしが成長してあわびになることはありません。
そもそもこれらは別の生き物とされているわけです。

ただし、見た目がそっくりでよく間違われます。
そのため、勘違いしないようにしておきましょう。

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