古いことを知って新しいことを見つけることを「温故知新」と表現します。
これらの四字熟語は過去の出来事などから未来を展望するような場面で使用されます。
しかし、そもそも「温故知新」とはどこから来た言葉なのでしょうか?
今回はそれら「温故知新」という言葉について解説します。
特にここではこの言葉が持つ意味だけでなく、由来や語源についても説明します。
目次
「温故知新」とは
まずは「温故知新」がどのような意味なのか見てみましょう。
「温故知新」の意味
「温故知新」とは以前学んだことや過去習った事柄を新たに調べ直すことを言います。
事実、昔のことを知ることで今の考えなどを刷新できます。
それら古いものから新しい知見や見解、道理や真理を探り当てることを「温故知新」と表現するわけです。
実際に古い情報は役に立たなくなっていることも多いです。
自分自身が時代に取り残されているということもあるでしょう。
そういった状況を打破するには「温故知新」が欠かせません。
ただし、逆に古い情報を知らないと新しい発見も生まれません。
それら歴史に埋もれた情報を得ることで発想を更新していくことを「温故知新」と表現します。
転じて、新しいものは古いものの積み重ねで作られていることも指します。
「温故知新」の用い方・例文
「温故知新」は昔のことを研究して新たな思考や方法を見つけることを言った四字熟語です。
これらは「昔はどうだったのか」ということを探求して、そこから今後へのヒントを得るような場面で使用されます。
また、過去の積み重ねを大切にする教えや戒めでもあります。
事実、古いものから新しいものが生まれるため、その歴史を知ることが重要となるわけです。
それら過去から現在そして未来への繋がりを説いた言葉、それが「温故知新」となります。
「温故知新」の由来
では「温故知新」はどこから来た言葉なのでしょうか?
訓読すると「故きを温ねて新しきを知る」
温故知新は訓読すると「故きを温ねて新しきを知る」となります。
ここでは「故き」を「ふるき」と読み「温ねて」を「たずねて」と読むのが特徴です。
これらは古いものを尋ね求めて新しいことを知る意味から来ています。
なお、一説によると冷たいものを温め直して味わうという意味もあるとか。
そのため「あたためて」と読むのも必ずしも間違いとは言えません。
実際にかつては「たずねて」ではなく「あたためて」と読まれることもあったようです。
由来は『論語』の一節にあり
「温故知新」は「論語」の一節にある言葉から来ています。
そこには「故きを温ねて新しきを知る」とあります。
これら論語は孔子とその弟子の会話をまとめたもので、他にもいくつかの四字熟語の語源にもなっています。
「温故知新」の由来もそれら論語にあるわけです。
「温故知新」の類義語
最後に「温故知新」の類義語を見てみましょう。
「温故知新」の類義語には「覧古考新」「彰往察来」「継往開来」などがあります。
覧古考新
「覧古考新」とは古いものを参考にして新しいものを考察することの例えです。
これらは過去の事柄などを顧みて、現在の問題について考察することを言った四字熟語です。
「覧古」は古い物事を深く思うことを意味します。
「考新」は新しい物事を考えることを意味します。
つまり過去を知って現在を考えることを指すのです。
それらの点が「温故知新」と重なるのではないでしょうか。
彰往察来
「彰往察来」とは昔の出来事を明らかにして先のことを予測することの例えです。
「彰往」は過去について明らかにすることを意味します。
「察来」は未来について考えることを意味します。
つまり、過去を見て未来を切り開くことを指すわけです。
それらの点が「温故知新」に通ずると言えるでしょう。
継往開来
「継往開来」とは伝統を受け継ぎ、それをさらに発展させていくことの例えです。
伝統を守りながらも将来を開拓していくことを意味します。
それらもともとあった古き良きものから新たなものを生み出すところが「温故知新」に似ているかもしれません。
まとめ
「温故知新」は古いものから新しいものを得ることの例えです。
実際に現在あるものは過去の積み重ねでできています。
そして未来は現在の積み重ねによって生まれます。
それら古き良きものを知って新たなものを創造していくことを「温故知新」と表現するわけです。