「明眸皓歯」とはどんな意味の四字熟語?どんな人物に対して用いることば?元々は特定の人物を形容した言葉だった?!

美人の例えとして使用される四字熟語、それが「明眸皓歯」です。
これはもともと楊貴妃に対する賞賛の言葉として使用されました。
それが現代でも綺麗な人への形容として使用されているのです。

今回はそれら「明眸皓歯」という言葉について解説します。
ここではその由来や語源、類義語についても説明します。

「明眸皓歯」とは

まずは「明眸皓歯(めいぼうこうし)」の意味について見ていきましょう。

「明眸皓歯」の意味

「明眸皓歯」とは美人であることの例えとされる四字熟語です。

特に明るく澄んだ美しい瞳と白く美しい歯のことを意味します。
かつてはそれら澄んだ瞳や白い歯を持つ人への賞賛の言葉として使用されていたそうです。

それが近年では単に美人への褒め言葉として使用されるようになったのだとか。

なお、これらは「皓歯明眸」と表現されることもあります。
そこは熟語を入れ替えて表現することも可能なので、好みのものを使用して問題ありません。

他にも似たような言葉に「朱唇皓歯」というものもあります。
これは赤い唇と白い歯を絶賛した表現と言えるでしょう。
このことからもわかるように昔から瞳や歯、唇などは美の象徴とされてきたわけです。

「明眸皓歯」の由来

次に「明眸皓歯」をそれぞれの熟語に分けて見ていきましょう。
ここでは「明眸」「皓歯」が何を意味するのか詳しくまとめます。

「明眸」とは

「明眸」は瞳が明るく澄んでいることを意味します。
「明」が明るく澄んでいることを指しています。
「眸」が瞳を表しているのです。

「皓歯」とは

「皓歯」は歯が白いことを意味します。
「皓」が白いことを指しています。
「歯」がそのまま歯を表しているのです。

『楊貴妃』の姿を形容した言葉だった

もともと「明眸皓歯」とは中国の楊貴妃を形容した言葉でした。
事実、楊貴妃は世界三大美女にも選ばれるほどの美人だったことで知られています。

唐の時代、楊貴妃は玄宗皇帝の寵愛を得て皇后となりました。
ただ、玄宗皇帝は楊貴妃の美しさに溺れるあまり政治が手につかなかったとか。

そして国政を蔑ろにした結果、反乱が起こり楊貴妃は扼殺されてしまうことに……。

「明眸皓歯」はそれら美しすぎるあまりに不運の死を遂げてしまった楊貴妃を例えた言葉から来ているわけです。
実際に「哀江頭詩」という詩に「明眸皓歯今何処にか在る」という詩があります。

これは明るい瞳と白い歯を持つ美女は今どこにいるのだろうという気持ちを詠ったものとなります。
それら楊貴妃に対する詩から生まれた言葉、それが「明眸皓歯」となるのです。

「明眸皓歯」の類義語

最後に「明眸皓歯」の類義語について見ていきましょう。
「明眸皓歯」の類義語には「解語之花」や「宛転蛾眉」「羞花閉月」などがあります。

解語之花

「解語之花」とは美人の例えです。
もともとは言葉がわかる花を意味する言葉でした。
この言葉は古代中国の故事「開元天宝遺事」から来ています。

八世紀の中国、唐王朝の玄宗皇帝は楊貴妃を寵愛していました。
ある日彼は宴会を開き、宮中の池に白い蓮の花が咲き誇っているのを眺めながら「蓮の花はどうやっても解語の花には及ばない」と言って褒め称えたのだとか。

その玄宗皇帝が楊貴妃を指して言った言葉から来たわけです。
それら楊貴妃から来たという点はもちろん美人を意味する点も「明眸皓歯」と似ていると言えるでしょう。

宛転蛾眉

「宛転蛾眉」とは美しい容姿を持つ人の例えです。

「宛転」は三日月の形をした美しい眉毛のことを意味します。
「蛾眉」は蛾の触角のように細く長い眉毛のことを意味します。

実はこちらも唐代の美女、楊貴妃を褒め称えた言葉だそうです。
それら楊貴妃から来たという点と美しい容姿を持つ人を称える点が「明眸皓歯」と同じとなります。

羞花閉月

「羞花閉月」とは美しい人の例えです。
その美貌に対しては花も恥じらい月も隠れることを意味します。

これらは特筆して優れて美しい人を例える言葉です。
その美しい人の例えとして使用されるところが「明眸皓歯」と重なるのではないでしょうか。

まとめ

「明眸皓歯」は美人の例えとして使用される四字熟語です。
これらは瞳が明るく澄んでいて、歯が白い人を例えた言葉です。
もともとは楊貴妃を例えた言葉であり、彼女が亡くなった際に詠まれた詩から来た言葉となっています。

現代でも美人の例えとして使用されるので、もし美しい人がいたら伝えてみてはいかがでしょうか。

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