「虎視眈々」とはどんな意味の四字熟語?その成り立ちや類義語は?

機会を狙って隙があれば付け入ろうとしている様子のことを「虎視眈々(こしたんたん)」と表現します。
これはチャンスを伺って待っている状態のことも意味します。
しかし、これらの言葉はどこから来たのでしょうか?

今回はそれら「虎視眈々」という四字熟語について解説します。
ここでは併せて知りたい成り立ちや類義語についても説明します。

「虎視眈々」とは

まずは「虎視眈々」がどのような言葉なのかを見てみましょう。

「虎視眈々」の意味

「虎視眈々」とは機会を狙って隙があれば付け入ろうとする様子のことを言います。

もともとは虎が獲物を狙って身構え、鋭く見つめる様子を意味する言葉だったそうです。
その様子から転じて、人間がチャンスを狙うことを意味するようになったと考えられています。

なお、現代では単純にじっと機会を待っている様子を意味することが多いです。

「虎視眈々」の用い方・例文

「虎視眈々」は「虎視眈々と獲物を狙う」のように使用します。

このように何かを狙って隙を突こうとする様子を表現する際に使用されるのが「虎視眈々」です。

ビジネスでは「虎視眈々と出世を狙う」、スポーツでは「虎視眈々と得点を狙う」のように特定のチャンスに対して使用されることが多いです。

特に相手の隙を突こうとじっと機会を伺う様子を表します。
つまり、有利なチャンスが訪れるのを待つことを言った言葉、それが「虎視眈々」となるわけです。

「虎視眈々」の成り立ち

では「虎視眈々」はどこから来た言葉なのでしょうか。
ここでは「虎視」と「眈々」に分けてそれぞれまとめます。

「虎視」とは

「虎視」は虎が獲物に対して視線を向ける様子を意味します。
文字通り、「虎」の「視」を意味する言葉となっているのです。
これらは虎が獲物を捕獲するために狙い見ることを指す言葉です。

「眈眈」とは

「眈眈」は欲深そうな目つきで狙う様子を意味します。
これらは虎が獲物を捕獲するために見下ろすことを指す。
ここで使用されている「耽」は同じ意味の漢字を繰り返すことで協調する表現となっているのが特徴です。

その由来は占術にも用いられる「易経」から

「虎視眈々」は古代中国の「易経-頤卦」から来ています。
そこに「虎視眈眈、其ノ欲遂遂タレバ咎无シ」という一節があります。

この一節から「虎視眈々」という言葉が広まったそうです。
事実、今ではすっかり日常生活でも見かける四字熟語として定着しているくらいです。

「虎視眈々」の類義語

最後に「虎視眈々」の類義語を見てみましょう。
「虎視眈々」の類義語には「満を持す」「雌伏雄飛」などがあります。

満を持す

「満を持す」とは入念に準備して機会を待つことの例えです。
要は用意周到にしてチャンスを伺っている様子のことを言う言葉となっています。

この言葉は古代中国「史記-周勃世家」に掲載されている話から来ているそうです。

ちなみに、これらの言葉は現代だと物事の最高潮の状態を維持することの意味としても使用されます。
その場合、絶好の機会という意味で使用されることが多いかもしれません。

それら絶好の機会を伺う点が「虎視眈々」と重なるのではないでしょうか。

雌伏雄飛

「雌伏雄飛」とは活躍する機会を待ちながら人に付き従い、機会が到来すると大いに活躍することの例えです。

「雌伏」は雌鳥が従うことを意味します。
転じて、将来の活躍を待ちながら人に従うことを言うようになったのだとか。

「雄飛」は雄鳥が羽ばたくことを意味します。
転じて、機会が到来した際に飛躍することを言うようになったとされています。

最初は他人に付き従って低い地位に甘んじているものの、機会が到来すれば盛んに活躍することを言った言葉となるのです。
それらチャンスを待つ点が「虎視眈々」と似ています。

まとめ

「虎視眈々」とはチャンスを伺って待つことを言った言葉です。
現状はあまり良くなくとも、必ず絶好の機会が来ると信じて待つというような意味も持っている四字熟語です。

これらは古代中国から来た言葉とされています。
特に虎が獲物を狙う様子から来た言葉なのだとか。
この四字熟語は日常会話でも使用することが多いので、ぜひ覚えておきましょう。

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