「蛙鳴蝉噪」とはどんな意味の四字熟語?カエルやセミが同関係しているの?その由来や類義語は?

喧しく騒がしいことの例え、それが「蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)」となります。
これら「蛙鳴蝉噪」はうるさいだけの無駄な議論や無駄が多くて内容が薄い文章なども意味する四字熟語です。
しかし、なぜそれが「蛙鳴蝉噪」なのでしょうか?

今回はそれら「蛙鳴蝉噪」という四字熟語について解説します。
ここでは「蛙鳴蝉噪」の意味はもちろん成り立ちや類義語についてもまとめます。

「蛙鳴蝉噪」とは

まずは「蛙鳴蝉噪」の意味について見ていきましょう。

「蛙鳴蝉噪」の意味

「蛙鳴蝉噪」とは喧しく騒ぐことの例えです。
転じて、うるさいだけの無駄な論議を意味します。
また、無駄な表現が多くて内容の乏しい文章も意味します。

これらは蛙や蝉が朝から晩まで鳴き騒ぐ様子を人に例えた表現です。

実際に罵声や怒号が飛び交うだけの議論は建設的ではありません。
何度も話し合ったところで言い合いに終始していれば何も決まらないのではないでしょうか。
文章も無駄な言い回しを並べているだけでは内容が伴わず何も伝わりません。

それら無駄な議論や文章を「蛙鳴蝉噪」と表現します。

「蛙鳴蝉噪」の用い方・例文

「蛙鳴蝉噪」は喧しく騒がしいだけで何の役にも立たないことを言います。

これらはガヤガヤと喋り立てるような様子に対して使用します。
近年では内容のない議論や文章を嘲って言う際にも使用されます。
中でも特定の議論や文章に対する嘲笑の意味で使用することが多いです。

その一方、近年は単にうるさいことの例えとしても使用されることがあるので注意しましょう。

「蛙鳴蝉噪」の由来

では「蛙鳴蝉噪」はどこから来たのでしょうか?
ここからは「蛙鳴蝉噪」の成り立ちについて見ていきましょう。

出典は唐の時代「儲欣」の詩?

「蛙鳴蝉噪」は古代中国の詩「儲欣」から来ていると考えられています。

事実「儲欣-平淮西碑評」に「段文昌以駢四儷六、蛙鳴蝉噪之音、易鈞天之奏、直不知人間有羞恥事」という一節があります。
「蛙鳴蝉噪」はこの詩から来ているのではないかと考えられているのです。

ただ、他の出典もあると言われており、詳細は不明です。

出典は北宋時代「蘇軾」の詩?

「蛙鳴蝉噪」は古代中国の詩「蘇軾」から来たとも考えられています。

実際に「蘇軾-出都来陳所乗船上有題小詩」に「蛙鳴青草泊、蝉噪垂楊浦」という一節があります。
この詩から来たとも考えられているのだとか。

ただし、どのような形で四字熟語として広まったかは不明です。
そのため、はっきりとした由来や語源などはわかっていません。

「蛙鳴蝉噪」の類義語

最後に「蛙鳴蝉噪」の類義語について見ておきましょう。
「蛙鳴蝉噪」の類義語としては「驢鳴犬吠」や「咬文嚼字」などがあります。

驢鳴犬吠

「驢鳴犬吠」とはくだらない文章や聞く価値のない話の例えです。
特にこれらは議論よりも話などに対して使用されます。

ちなみに「驢鳴」はロバの鳴き声のことです。
また「犬吠」は犬の鳴き声のことを意味します。

実際にロバや犬の鳴き声には意味がありません。
同じ動物同士なら通じるかもしれませんが、人間には通じません。
そこから転じて、現代のような意味に変化したとされています。

その意味は「蛙鳴蝉噪」にもとても似ています。

咬文嚼字

「咬文嚼字」とは内容や意味のない文章のことを言います。
特に文字や言葉の装飾にこだわるばかりで内容や意味がないことを言います。

実際に現代でも無駄な表現はよく見かけるのではないでしょうか。
どのような文字や言葉も、やはり伝わらなければ意味がありません。

なお、これらは学識を自慢するだけで実際には役に立たない知識人を揶揄する際にも使用されます。
それらの点も含めて「蛙鳴蝉噪」と重なるところが多いです。

まとめ

「蛙鳴蝉噪」はガヤガヤと喧しく騒がしい状態を言います。
特にこれらは無駄な議論や文章のことも意味します。

この言葉は文字通り、蛙や蝉の鳴き声から来た言葉です。
しかし、出典自体はあまりわかっていないことも多いので、その点は注意が必要です。

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