ビジネス用語「クロージング」は営業の最終段階を言います。
ただ、いまいちこの言葉の意味がわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
では、具体的に営業のどのような段階で使用されるのかを見ていきましょう!
目次
「クロージング」とは
まずは「クロージング」の意味についてまとめます。
営業における「クロージング」の意味
「クロージング」は営業などで使用されるビジネス用語です。
主に営業の最終段階で顧客と契約締結する場面を意味します。
なお、言葉自体は英単語「closing」からそのまま来ているとか。
現に英単語「closing」を直訳すると終わりや締めくくりを指します。
転じて営業活動で商談へと繋がる最後のフェーズを表すようになったと考えられています。
日本ではビジネスの世界で頻繁に使用される言葉なので覚えておいて損はありません。
クロージングは非常に重要な営業の要素
クロージングは商談相手に意思決定を促す重要な要素となります。
それまでどのような提案や交渉を行っていたとしても結局はこの「最後の一押し」で決まります。
現に商談の大詰めは「クロージング」の知識や技術によって左右されると言っても過言ではありません。
強引に成約に持っていけば相手に不信感を抱かせてしまいます。
そのため、商談相手の思考を推測して話を切り出す必要があるわけです。
「クロージング」ではそうしたタイミングが命となります。
なぜなら売り込みや打ち合わせなどで積み重ねてきた顧客の興味をまとめ、成約へと繋げる最重要のステップとなるためです。
このクロージングがうまくできないと制約には繋がりません。
むしろこのフェーズまで進んで制約に繋がらない場合は買う側ではなく売る側に原因があるか、先方がクローズできる状態にないことを意味します。
そのため、クロージングが芳しくない状況なのであればその原因を解明しつつ早急な改善が必要となるでしょう。
「クロージング」の流れ
ここからは「クロージング」の流れを見てみましょう。
ふたつある「クロージング」
「クロージング」の流れは大きく分けて2つあります。
1つが「テストクロージング」と呼ばれるもので、もう1つがそのまま「クロージング」と呼ばれるものです。
この2つのフェーズを経て最終的に契約締結となるわけです。
テストクロージング
まずは「テストクロージング」を行うこととなります。
「テストクロージング」とは商談の中で得られた相手のニーズや要望をもとに契約の意思を探る手法のことです。
このリアクションによって興味の度合いを推し量ります。
そこで反応が上々であれば「クロージング」へと進みます。
まだ迷っているようであれば残りの課題を解決しながら導くなど臨機応変な対応が必要です。
クロージング
次に本格的な「クロージング」を行うこととなります。
「クロージング」では契約意思の有無を確認します。
曖昧な問いかけをすると顧客の返答も的を得ないものとなるので注意が必要となるでしょう。
特に契約の意思を見ながら条件の余白を残すことが重要です。
実際に契約のハードルを下げて問いかけることで相手の許容範囲も広がると言われています。
結果、うまく話がまとまれば「契約締結」となるわけです。
契約締結
最後に「契約締結」となれば商談成立となります。
ただ、ここで手放しで喜ぶのではなく条件確認が必要です。
商談である以上は契約金額や納期、納品数など条件の食い違いがないか確認しなければなりません。
そこでようやく両者に問題がなければ契約書を取り交わすこととなります。
「クロージング」から契約締結まで持っていくためのポイント
ここからは「クロージング」から契約締結まで持っていくためのポイントについて見ていきましょう。
BANT条件のヒアリングをする
「クロージング」から契約締結まで持っていくには「BANT条件」が必須となります。
「BANT条件」は「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(需要)」「Time frame(導入時期)」の頭文字から来ている言葉です。
この条件が食い違うと制約が難しくなるとされています。
そのため、丁寧なヒアリングが必要となるでしょう。
イエスセット話法を活用する
「クロージング」には「イエスセット話法」も欠かせません。
「イエスセット話法」は会話の中で相手の「イエス」を何度も引き出すことで次も「イエス」と答えやすくするという交渉テクニックのことです。
制約に前向きな相手ほどこの方法が響きやすいとされています。
ただ、押し売りのようになってしまうと印象を損ねることもあるので注意が必要です。
そのため、相手の出方を見ながら慎重に判断していく必要があるでしょう。
反対に「イエスバット話法」というものもあります。
「イエスバット話法」は相手の意見に「イエス」と同意したあとに「バット(でも……)」と否定する交渉テクニックのことです。
こうした会話術を駆使するほど契約締結に持っていきやすくなるのではないでしょうか。
ゴールデンサイレンスの妨げをしない
「クロージング」では「ゴールデンサイレンス」を妨げないことも重要となります。
「ゴールデンサイレンス」とは顧客が考えている沈黙の時間のことです。
この時間に話しかけてしまうことで相手の思考を遮ってしまうことがあります。
その場合、相手が契約しようとしている意思すらも断ち切ってしまうことに……。
だからこそ、相手に考えてもらう時間も確保しておきたいです。
ifクロージングの活用
「クロージング」では「ifクロージング」も活用したいです。
これは「もし○○だとしたら××はいかがでしょうか」と仮定の話を活用して実際に利用しているところをイメージしてもらうテクニックのことです。
こうすることで顧客はより商品やサービスを利用している自分を想像しやすくなります。
それにより制約にも繋がりやすくなるとされているのです。
こうしたテクニックを活用すれば「クロージング」から契約締結まで繋がる確率が格段にアップします。
まとめ
「クロージング」は営業の最終段階を意味します。
営業職はこの「クロージング」こそ腕の見せ所と言えるでしょう。
ただし「クロージング」は状況によって変化します。
顧客の意思も尊重しながら提案しなくてはならないため、より高度なテクニックも必要となるかもしれません。
そうした営業の努力によって制約が生まれていることを他の部署の人も知っておくことが必要です。