”トラウマ”の語源はギリシャ語?虎や馬との関係はあるの?

2019.7.4


心理学の学術用語として心的外傷とも呼ばれ、長く続く心の傷という意味で用いられる『トラウマ』

肉体的、精神的に衝撃を受けたことで否定的な影響を心に抱えてしまっている状況のことを言い、みなさんも耳にすることが多いと思います。

そもそもなぜトラウマというのでしょうか?虎や馬に襲われた人が助かった後も怯えて震えて生きていった、そんなかわいそうな人がいたのでしょうか?

そんなわけはないですよね、と心の中で思いつつもトラウマの言葉の由来を調べてみました。

トラウマの語源はギリシャ語


『トラウマ』はギリシャ語で『傷』という意味です。なんと『精神的な傷』といった意味を元々は持ってなかったのです!

『トラウマ』の命名者フロイト博士

『傷』という意味しか持っていなかった『トラウマ』ですが、ある人物によって今よく耳にする心的外傷の意味を持つようになりました。

その人物とは精神分析学の創始者であるジークムント・フロイト博士です。

博士によって書かれた「精神分析学入門(原題:Vorlesungen zur Einfuhrung in die Psychoanalyse)」の中で『トラウマ』は『精神的な傷』の意味で用いられました。

この時から『トラウマ』は『精神的な傷』という意味でも使われるようになったのです。

心的外傷の『トラウマ』はドイツ語

元々「傷」という意味の『トラウマ』はギリシャ語が語源なのですが、厳密には心的外傷の意味の『トラウマ』はギリシャ語ではありません。

実はギリシャ語の『トラウマ(Τραύμα)』はドイツに渡り、意味はそのまま『トラウマ(Trauma)』という単語になっていました。そして、ドイツ語を使うフロイト博士によって傷の意味しか持たなかった『トラウマ(Trauma)』に『精神的な傷』という意味が追加されたのです。

現在の意味の『トラウマ』はドイツ語の『トラウマ(Trauma)』が起源とも言えますね。

トラウマと虎と馬


『トラウマ』という単語から、虎と馬に関係があるのかなと思ったことはありませんか?動物を語源とした単語もたくさんあるので、この『トラウマ』も虎と馬にまつわるエピソードがあるのでしょうか?

馬鹿のように2匹の動物を並べた言葉?

常識が欠落していたり利口でないことの意味に『馬鹿』という言葉がありますが、”虎馬”も同じく動物を当て込んだ言葉なのでしょうか。

残念ながら前述のようにギリシャ語が元にあるドイツ語の『トラウマ』ですので偶然漢字で2つの動物の字が思い付く単語だっただけのようです。

馬鹿の語源

ちなみに『馬鹿』ですが、この言葉の起源をご存じでしょうか?

諸説はありますが古代インドの言葉、サンスクリット語で『愚か』を意味する「moha」が『莫迦』と音写(言語の音から他の言語の文字を用いて書き写すこと)され、そこからさらに当て字されて来たとも云われています。

ただ、馬鹿の由来は諸説あり、今回説明したケースでは、馬や鹿は関係なく、ただの当て字という事ですね。

英語など他外国語でのトラウマ

日本で言われる『トラウマ』がギリシャ語発祥のドイツ語ということはわかりました。

では、他の言語では『トラウマ』、心的外傷のことは何というのでしょうか?そちらも気になったのでGoogle翻訳で調べてみました。

英語でも日本と同様『Trauma』 
スペイン語では『El trauma』 
フランス語は『Traumatisme』


と表現します。スペイン語は冠詞が付きますが日本語と同様です。フランスは『トロマティズム』と読むそうです。

ロシア語では『травматический』


こちらも『外傷』を意味する言葉なのでトラウマが起源のようです。

最後に中国語では『创伤(創傷)』


中国語は『傷を創る』という意味からやはり『Trauma』を元にしているようですね。

まとめ

調べてみたところ、ギリシャ語の『トラウマ(Τραύμα)』という言葉がドイツに渡り、現地の学者によって精神的な傷、という新しい意味を追加されたのが『トラウマ』だということが分かりました。そして『トラウマ』という言葉は現地の言葉に形を変えつつも世界中で使われているという驚きの展開まで見せてもらいました。

筆者が勝手に想像していた虎と馬に襲われて残りの人生を震えて過ごした人なんていなかったんですね、よかった!と勝手に安心して調査を終了したいと思います。

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