面白い人、面白い話、面白い作品などなど…
みなさんは「面白い」という言葉の語源をご存知でしょうか?今回はその意味や語源について考えていきたいと思います。
目次
そもそも「面白い」ってどういう意味?
日常的に使っている「面白い」という言葉ですが、そもそもどのような意味を持った言葉なのでしょうか。
おも‐しろ・い【面白い】の意味
1. 興味をそそられて、心が引かれるさま。興味深い。「何か―・いことはないか」「仕事が―・くなってきた」「この作品は―・くなかった」
2. つい笑いたくなるさま。こっけいだ。「この漫画はなんとも―・い」「―・くもない冗談」
3. 心が晴れ晴れするさま。快く楽しい。「夏休みを―・く過ごした」「無視されたようで―・くなかった」
4. 一風変わっている。普通と違っていてめずらしい。「―・い癖」「―・い声」
5. (多く、打消しの語を伴って用いる)思ったとおりである。好ましい。「結果が―・くない」
6. 風流だ。趣が深い。
「月の―・きに、夜更くるまで遊びをぞし給ふなる」〈源・桐壺〉
この中では2の「つい笑いたくなるさま。」が一番スタンダードな意味な気がしますね。その他にもたくさんの使い方があるのには驚きです。
「面白い」の原型は『面白し』
「面白い」という言葉の原型は『面白し』というものです。
「面」は目の前を意味し、「白し」は明るくはっきりしていることを意味するようで、目の前にある景色の美しさを表す言葉でした。そこから「楽しい」や「心地よい」といった意味でも使われ始めたことで、現代と同じ意味で使われるようになります。
ではそんな「面白い」という言葉は、どのように日本の歴史に登場していったのでしょうか。
面白しは古文にも登場
「面白い」という表現は、古文にも登場します。
古今和歌集
「この島の僧たちは水練を業(わざ)としておもしろきことにてはべるなる」
源氏物語
「年の内の節会(せちゑ)どものおもしろく興あるを」
こんな古くから使われていたのですね。驚きです。
「面白い」の語源は諸説あり
「面白い」の語源は諸説あります。ここでは有力なものを3つご紹介していきます。
【有力説】ルーツは天照にあり!
みなさんは「岩戸開き」という日本の神話をご存知ですか?
天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟神、素戔嗚の尊(すさのうのみこと)の再三にわたる悪業に怒った天照大神は、天の岩戸を閉して隠れてしまいました。太陽神である天照大神が隠れた事によって、国中は真っ暗になり昼夜の境目もなくなり、世が乱れてしまいました。
残された神さまたちは試案した結果、岩戸の前で神楽や舞いをおこないます。すると、彼らのあまりにも楽しそうな姿を見た天照大神は、扉を開けて岩戸の外に出たため、世界は再び明るさを取り戻したのです。
さて、それと「面白い」がどういう関係があるのかというと、「おもしろ」は岩戸が開いて光が戻ったことで神々の顔(面)が白く照らされ、喜びに輝いた様子を意味しているというのです。
これは日本書紀から書かれているため一番有力な説なのかもしれませんね。みなさんは信じられますか?
面知(おもしる)説
"気心の知れた仲間と過ごす時間はとても楽しい!"ということで…
「面(顔)」を「知る」→「おもしるし」→「おもしろし」
という説もあるのだとか。たしかに楽しい様を表しているので、こちらも有力ですね。
うまし説
甘美を意味する「うまし」という言葉から来ているという説もあります。
「うまし」→「おもし」→「面白し」
うーん、ちょっと無理があるような気もしますが…。本当のところはどうなのでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?「面白い」という言葉の意味と語源について考えてみましたが、果たして語源のルーツは天照大神なのか…!?
真実は定かではありませんが、いろいろと推測するのも楽しいですよね。現代の世で普通に使われている言葉のルーツを今後も調べていきたいと思います!
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出典:dictionary.goo.ne.jp