アシダカグモは家の中でも見かけることがある大型のクモ。なかなか大きめのクモなので怖がられることも多いですが、近頃は「軍曹」と呼ばれ親しまれています。
アシダカグモはなぜ軍曹と呼ばれているのでしょうか?そこにはアシダカグモの知られざる習性が関係していました!
目次
アシダカグモが軍曹と呼ばれる理由
アシダカグモが「軍曹」と呼ばれるゆえんは、その有能なゴキブリ駆除能力にあります。
アシダカグモの有能なゴキブリ駆除能力
アシダカグモは、民家などに生息しゴキブリなどの害虫を食べて生活しています。そのため、高いゴキブリ駆除能力を持っているんです。
エサを食べている最中でもほかの獲物が視界に入ると今まで食べていた獲物を放り出してほかの獲物に飛びついてしまうアシダカグモ。なんと1日で20匹ものゴキブリを駆除した記録もあるほどなんですって!
こわもてだけど人間に害は皆無!
胴体は20~30mm程度ながら、長い手足を含めると8~10cmにもなる大型のアシダカグモ。見た目はやや怖い気もしますが、ゴキブリを駆除してくれるのみならず人間には一切害を与えないという特徴があります。
毒もなく、人間に害となる虫を駆除してくれる最強の狩猟能力を持つアシダカグモに敬意を示して「軍曹」と呼ばれるようになったようです。
しかし、フォルムが苦手な人にとっては……
人間に攻撃をせず、ゴキブリから守ってくれる軍曹ですが、その見た目から人間に怖がられてしまうことも。
デカくて怖い
体長10cmにもなる軍曹。その巨体は見た目だけならタランチュラにも負けません。そのため、虫が苦手な人からしてみたらただの「怖い虫」であることに違いはありません。
ですが、実際には私たち人間にとって益虫といわれる軍曹。仲良く共存するためには、追い払うすべも知っておいたほうがいいかもしれません。
軍曹に遭遇した時の対策
足踏みすれば勝手に逃げる
軍曹は実は繊細な性格。わずかな振動や音にも敏感に反応し、自分より大きな生き物には近づかない性質をしています。遭遇しても驚かず、軽く足踏みしてやれば勝手に逃げていきますよ。
見て見ぬふり
また、見て見ぬふりをしてそっとしておくのも効果的です。お話したようにアシダカグモ軍曹は繊細な性格をしているので、放っておいても私たち人間に攻撃してくることはありません。
殺虫剤をかけないで!
益虫である軍曹は私たちにとって害のある虫ではありません。また、目に付いたアシダカグモに殺虫剤をかけても、家の中にエサであるゴキブリがいる限り何度でも侵入してきます。
どうせなら害虫であるゴキブリの駆除をお願いしたいところですから、ちょっと怖いと思っても、殺虫剤などをかけずに共存したいところですね。
アシダカグモの有能伝説
軍曹にはさまざまな武勇伝がたくさんあります。人間にとってもありがたいことこの上ない、アシダカグモの有能伝説をご紹介します!
1匹で1軒のゴキブリ組織を壊滅
1日に20匹は倒せる軍曹なら、1匹で家1軒分のゴキブリ組織を壊滅状態にまで追い込むことも可能!
基本的に隠密機動
臆病な性格の軍曹は、基本的に隠密機動(人間から隠れたところで戦う)によるゴキブリ駆除を行います。通常は暗いところに隠れて生活しており、人間の生活圏に現れることはまずありません。
めちゃくちゃ素早い!
ゴキブリにあっという間に追いつくほどのスピードもアシダカグモ軍曹のすごいところ。大きな体なのでおっとりしていそうなイメージもありますが、実はめちゃくちゃ素早いんです。
お腹いっぱいでも狩猟優先
軍曹は基本的に食欲よりも狩猟を優先します。好奇心が旺盛なので、たとえエサを食べていてもほかにゴキブリを発見したら狩猟開始してしまいます。そのため、一度に大量の獲物をハントできると考えられています。
害虫を求めて家から家へ
非常に潔い軍曹。1軒の家に定住することはなく、害虫を駆除し終えれば次なる戦場を求めて颯爽と去っていきます。
江戸時代にゴキブリ駆除のために輸入されたらしい
アシダカグモの原産地はインドとされていますが、現在では全世界の亜熱帯や熱帯、温帯地域に広く生息しています。日本に流入してきたきっかけは、江戸時代にゴキブリ駆除のために輸入されてきたという説が有力です。
日本人は軍曹がお好き?
なかなか貫禄のある佇まいながら人間には害のないクモであるアシダカグモ軍曹。苦手という人も決して少なくはないですが、近年では「アシダカグモ=軍曹=ゴキブリ退治の救世主」という認識が広まってきています。
インターネットでは「#アシダカ軍曹」というハッシュタグが広まり、「アシダカ軍曹が赴任されてきた」「アシダカ軍曹が赴任なされてきたからもう安心」などアシダカ軍曹の出現を喜ぶ書き込みも増えています。
軍曹にも苦手はある
そんな最強の軍曹にも苦手なものはあるのだそうで……。
ペットは要注意(特にネコ)
まず代表的なものではペット、特にネコが挙げられます。
軍曹といえど、しょせんはクモ。どんなに素早くともゴキブリと同程度のレベルですので、ネコに手を出されればひとたまりもありません。
人間の子供も苦手
同じく人間の子供も軍曹の苦手なもののひとつ。怯えて大声を出して暴れる子供や、興味を持ってしまい軍曹を触ろうと手を出してくる子供には、驚いて逃げてしまいます。
軍曹と知らなければデカいクモ
また、やはり人間からしてみたら“あの軍曹”と知らなければアシダカグモはただのデカいクモでしかありません。驚いた人間に退治されてしまったら元も子もないのが悲しいところ。
軍曹と共存してその恩恵にあずかるためには、軍曹のことをよく知ってあげることしかないようです。
【まとめ】超有能なアシダカグモ軍曹に敬礼!
知られざるゴキブリ駆除能力を持つデカいクモ、アシダカグモ。見た目はこわもてですが我々人間の強い味方になってくれるクモさんなので、お互い気持ちよく共存できるようにしたいものですね!
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出典:Wikipedia(アシダカグモ)