
「ビルマニシキヘビ」という蛇をご存知ですか?数メートルにもなる大きな蛇ですが、無毒で性格が温厚なことから動物園ではふれあいコーナーを設けているところもあるので、触ったことがある方もいるかもしれませんね。
蛇は過去500万年~3000万年の間で高度な進化をし続けて生存・繁栄してきましたが、特にビルマニシキヘビには目を見張るものがあります。ビルマニシキヘビが獲物を捕らえて食べるときの能力はずば抜けた進化を遂げており、研究者たちの好奇心をかきたててやまないのです。
今回はビルマニシキヘビの進化した能力と生態について解説いたします。
目次
ビルマニシキヘビとは?
ビルマニシキヘビとは一体どのような蛇なのでしょうか?
生態
大型のニシキヘビで、これまでにはっきりとビルマニシキヘビだと確認されたものでは、最大全長5.7mです。平均すると、メスが全長3.5m体重29kg、オスが全長3m体重18kg。しかし、7mほどあるビルマニシキヘビの目撃情報があるため、野性ではもっと大きくなることが考えられます。
主に森林や水辺の近くに生息しており、子どものうちは木の上で過ごしますが、大人になると体が重くなるため地上に降りて過ごすようになります。
寿命は15~25年ほど。現在は生息地の破壊と食糧や薬用目的の密猟が続くために生息数が減少し、絶滅危惧種に指定されています。
生息地域
インド東部やタイ、ベトナムなど、東南アジアの熱帯雨林や湿地帯の水辺で生息しています。まれに乾燥地帯でも見られますが、どちらにしても水源から遠く離れることはありません。水中で30分間過ごせるほど泳ぎが得意です。
蛇界最強の進化
蛇の進化は他の生物と比べると驚異的で、特にビルマニシキヘビは蛇界最強の進化を遂げています。
自分と同じサイズの獲物も丸呑み
ビルマニシキヘビは肉食で、両生類や爬虫類、鳥類、哺乳類まで何でも食べます。自分と同じサイズの獲物でも体を巻き付けて締め上げ、動かなくなったところでペロリと呑み込むことができるのです。
大きな獲物を丸呑みした時は、獲物が体内で腐る前に消化させるため異常な代謝能力を発揮します。この消化・代謝能力は、ビルマニシキヘビが身に付けた驚異的な進化のひとつです。
消化スピードが速い!
大きな獲物でさえ咀嚼せずに丸呑みし、一週間程度で骨まですっかり消化させます。
消化スピードが速い理由は、消化する時に分泌される唾液などの消化液が発達していることと、さらに、臓器を膨張させて代謝機能を上げ、消化エネルギーを高めることができるからです。獲物が消化された後は、代謝を下げて通常どおり低燃費で過ごします。
唯一無二の能力臓器のサイズを変えられる!
消化スピードを上げるために臓器を膨張させるのですが、なんとその大きさは2倍近くまで膨れ上がります。それも腸だけでなく心臓や肝臓まで、1~2日間膨張させることができるのです。
蛇界最強といわれるビルマニシキヘビが、進化過程で身に付けた消化・代謝能力。研究者たちは、ビルマニシキヘビの遺伝情報を解明することで、人間のあらゆる病気治療に関する道が開かれると希望を持っています。
毒はないけど超危険生物
ビルマニシキは無毒ですが、超危険生物です。
許可申請しないと飼えない
温和な性格といわれていますが、害を加える恐れがある動物として特定動物に指定されているため、飼育するには都道府県知事の許可申請が必要です。
人間も丸呑みに出来る
蛇の顔はとても小さいですが、人間を丸呑みできるほど口を開くことができます。それは、上あごと下あごが人間の口のように固定されておらず、伸び縮みする靱帯でつながっているので可動域がとても広いからなんです。下あごが独立しているためパカッと大きく開き、自分より大きな獲物でもペロリと呑み込めるんですね。
人間を絞め殺す事も容易
蛇の身体は全身が筋肉です。特にビルマニシキ蛇のような無毒蛇は、獲物に巻き付き締め上げる筋肉が発達しています。人間だって簡単に絞め殺すことができちゃうんですよ!
「特定(危険)動物」に指定
大型になることや人の生命を脅かす恐れがあることから、動物愛護法により特定動物に指定されています。
恐れすぎる事はない
大きさに圧倒されますが、恐れすぎることはありません。驚かせたり怒らせたりしなければとても温厚な性格です。
比較的温和なへび
比較的温和な性格のため、動物園ではふれあいコーナーを設けて触れる大蛇に最適な種類です。首に巻いちゃう人もいますよ。
まとめ
ビルマニシキヘビの代謝能力と、大きな獲物を丸呑みできる口の仕組みには驚きました。
しかし、どんなに温和で無毒だといわれても、山道で大きなビルマニシキヘビと出くわしたら腰を抜かしてしまいそうです(笑)
こちらは、日本に存在する毒蛇を解説した記事です。ぜひ併せてご覧ください。
実は日本にもコブラ科の毒蛇が存在!毒性はハブの5倍!しかし危険ではない? - FUNDO
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出典:Wikipedia(インドニシキヘビ)