雨の日に見かける、可愛いカタツムリ。童話にも登場する親しみ深い生き物です。緑の中をチョコチョコと這う姿は見ているだけで癒されますね。
実は、そんなカタツムリに寄生してゾンビのようにしてしまう恐ろしい寄生虫がいるんです!
罪のないカタツムリに寄生する怖~い虫、「ロイコクロリディウム」について詳しく解説します。
目次
カタツムリをゾンビにする虫!?
カタツムリに寄生してゾンビ化させてしまう虫、ロイコクロリディウムとはどんな虫なのでしょうか?
寄生虫ロイコクロリディウム
出典:Wikipedia
ロイコクロリディウムは、吸虫という虫の仲間。カタツムリと鳥に寄生し、その体を侵食します。
カタツムリの角に寄生してイモムシに擬態し、騙された鳥に捕食されることで鳥の体内で卵を産みます。鳥のフンと一緒に卵が排出され、そのフンをカタツムリが食べることでまだカタツムリに寄生し……というスタイルで繁殖しています。
繁殖・生きる為の知恵
ロイコクロリディウムがカタツムリに寄生するのは、繁殖して生き延びるための方法のひとつです。
中間宿主のカタツムリを乗っ取る
一般的な寄生虫は中間宿主といわれる動物にこっそりと寄生し、最終宿主といわれる動物に食べられるタイミングをうかがっていることが多いです。
ですが、ロイコクロリディウムの場合、中間宿主であるカタツムリの身体を乗っ取って最終宿主である鳥に積極的に食べられるように仕向けるんです。
ロイコクロリディウムに寄生されると、カタツムリはゾンビのように生きたまま体を乗っ取られてしまいます。自分の意思では行動できなくなり、完全にロイコクロリディウムに支配されてしまうんです。
カタツムリをゾンビ化させて鳥に食べられるよう仕向ける
ロイコクロリディウムに乗っ取られたカタツムリはゾンビ化して、鳥の目につきやすいように動くようになります。
鳥に目立つように動く!
ロイコクロリディウムに乗っ取られたカタツムリは、明るい場所へ移動します。ロイコクロリディウムは触角の辺りに寄生しており、そこで鳥のエサであるイモムシのように動き回ります。
蛍光色に光りながら動き回る姿はカタツムリとは思えませんね。とても不気味なので、動画は閲覧注意でお願いします……。
カタツムリの生食は厳禁!
エスカルゴ料理など、食材として食べられることもあるカタツムリですが、寄生虫に寄生されていることが多いことから生食は絶対にしてはいけないといわれています。
カタツムリは中間宿主になりやすい
ロイコクロリディウムのみならず、カタツムリはさまざまな寄生虫に寄生されやすい生き物です。
カタツムリは様々な生物の餌になりやすい動物なので、寄生虫にとって恰好の中間宿主なんです。人間に害を与える寄生虫も中にはいるので、生では絶対に食べないようにしてください。
広東住血線虫にご用心
中でも恐ろしいのが、広東住血線虫という寄生虫。広東住血線虫は生物の体内に入り込むと脳内に移動し、繁殖する寄生虫です。
2004年には広東住血線虫が原因となり、マイアミ州の動物園でシロテテナガザルが死亡したという報告もあります。2012年にはマイアミのオランウータンがカタツムリを食べた後に死亡したという例もあるそうです。
【まとめ】カタツムリをゾンビにする恐ろしい虫!?
カタツムリに寄生して体を乗っ取る寄生虫、ロイコクロリディウム。見るからに不気味な見た目に鳥肌が立ちますね。
その他にも怖い寄生虫がたくさんいるので、くれぐれもカタツムリの生食はやめましょう!
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出典:Wikipedia(ロイコクロリディウム) / YouTube(Zombie Snail - Leucochloridium)