ゲームやアニメで出てくる聖剣「エクスカリバー」は剣じゃなくて鞘が凄かった?伝説の剣について解説

ゲームやアニメで頻繁に登場する剣「エクスカリバー」。作品によっては最強の剣ともされる剣ですが、もともとの伝説の中では鞘にこそ最も優れた点があるとされていました。

では、なぜ鞘が大事なのか、そしてどのような逸話を持っている剣なのか、エクスカリバーという伝説の剣についてご紹介します。

エクスカリバーはアーサー王伝説に出てくる剣

アーサー王の剣、エクスカリバー

エクスカリバーが登場する物語は、ヨーロッパで中世に完成した騎士道物語「アーサー王伝説」です。

この物語の内容は、ブリテン(イギリス)の伝説の王「アーサー王」が誕生し、ヨーロッパの王となり最盛期を迎え、悲劇の末に最期を迎えるまでの一生と、同時にアーサー王の騎士たち、通称「円卓の騎士」の冒険とロマンスを綴った物語です。

この物語の中で、エクスカリバーは主人公「アーサー王」の剣として様々な要所で活躍します。

エクスカリバーの形には矛盾がある?

近年描かれているエクスカリバーの形状は、騎士王とも呼ばれるアーサー王の剣ということで、中世の騎士が持つロングロードと呼ばれる両刃の直剣の姿で描かれることが多いです。

しかし、カリバーは片刃の肉厚剣のことを指すことから実在した場合形状は想像とは全く異なるものかもしれまません。

エクスカリバーの能力

エクスカリバーは非常に切れ味の鋭い剣として描かれています。岩や鉄も断ち、刃こぼれすることも、切れ味が鈍ることもない。刀身は松明のように輝く美しさがあるとされています。

エクスリバーの真価は鞘にある?

剣として非常に優れたエクスカリバーですが、逆に言えばただの優れた剣でしかありません。世界中に名の知れ話渡る伝説の剣としてはインパクトがありません。

しかし、エクスカリバーがただの優れた剣ではなく、最強の剣としてして今も知られているのは鞘にある能力があったからです。

エクスカリバーの鞘、それは宝石で彩られた魔法の鞘でした。その魔法は非常に優秀で、鞘を佩びている者は決して傷つくことがないというものでした。

「効果:不死身」のチート仕様

そう、エクスカリバーの鞘の力は、それを持つ者を不死身にするという強力なものだったのです。

アーサー王はブリテン王に即位した後、ローマ皇帝を倒しヨーロッパの王となります。それまでの間には多くの戦いがあり、アーサー王自身も戦場にたびたび立っています。

いつ戦場で傷つき、最悪命を落とすだろう中、アーサー王だけは死はもちろん、ケガの恐れも無く戦場に立つことができ、ついにはヨーロッパ王にまで上り詰めたのです。

たった一つですが、法外な能力を有すこの鞘こそ、エクスカリバーを多くある伝説の剣の中でも最強としているのです。

不死身でなくなってしまったアーサー王

エクスカリバーの鞘があることで不死身の存在となったアーサー王ですが、ある事件がきっかけでその力を失ってしまいました。

その事件はアーサー王伝説の中で最強の悪役にして、アーサー王の異父姉「魔女・モルガン」による奸計でした。モルガンはアーサー王の破滅と、アーサー王が治める王国を崩壊させることを望んでいた人物です。

ある時、モルガンはアーサー王を魔法で眠らせると、エクスカリバーを盗み出します。そして自身の愛人でありアーサー王の騎士「アコロン」にエクスカリバーを渡します。

そしてアーサー王とアコロンが決闘をする場を整えます。決闘の際に、いつもとは違う鎧や兜を装着させられていた2人は、戦う相手が誰なのかわからない状態でした。

こうして決闘が始まりますが、アーサー王は相手が持っている剣がエクスカリバーだということに気付きます。なにせいくら攻撃を当てても相手がけがを負うことがないのです。そんな剣はこの世に2つとありません。

ケガを負いながらもなんとか相手からエクスカリバーを取り戻すと、そのまま一気に形勢逆転、アーサー王は相手を打ち負かします。

決闘が終わり、相手の素性を知ったアーサー王は、モルガンの陰謀に気付くと共に、自らの騎士をその手にかけたことを大いに嘆きました。

アコロンの死を嘆いたのはアーサー王だけではありませんでした。愛人を失ったモルガンは悲しむとともに憤怒に燃えました。もとはといえば自らの陰謀が原因でしたが、その計画もアコロンの腕前を信じてのことで、アコロンを失うとは到底考えていなかったのです。

モルガンのアーサー王への怒りはこれまで以上のものとなり、アーサー王が愛したアコロンと同じように血を流して苦しむことを切望しました。そこで、エクスカリバーの鞘とそっくりなものを用意し、アーサー王の持つ本物の鞘とすり替えると本物の鞘を湖へ捨ててしまったのです。

こうしてアーサー王は異父姉のモルガンによって不死身の力を失ってしまいました。

エクスカリバーは2本ある?

アーサー王伝説にはエクスカリバーと呼ばれる剣が2本登場します。

1本目のエクスカリバー

1本目は、アーサー王伝説の始まり、少年アーサーが王に即位するための物語の中で登場します。

アーサー王が即位する前、ブリテンでは王が不在でした。それは先代の王、ウーサー王が亡くなった後、後継者が不在だったためです。

実はアーサー王はこのウーサー王の息子に当たるのですが、当人はそれを知らされていませんでした。少年アーサーはとある騎士の下で育てられ、礼儀正しくも健やかに成長していました。

アーサーがすくすくと成長している一方、王のいないブリテンは日に日に予断を許さない状況になっていました。

そんな時、ブリテンにある石に刺さった剣が出現します。台座のようになっている石には『剣を抜きし者、次の王となる』と刻まれていたことから、幾人もの人が王になるべく挑戦しましたが失敗に終わっていました。

この状況を一変させたのが少年アーサーです。まだ騎士にもなっていない少年でしたが、ひょんな事なら石に刺さった剣をあっけなく抜いてしまいました。

この状況を多くの人が認めませんでしたが、実はアーサーが先代の王、ウーサーの息子であるというのが知られると、多くの人がアーサーに従ったのです。

この石に刺さった剣が1本目のエクスカリバーといわれています。

2本目のエクスカリバー

王として戦場に立ちながら、ある戦いでアーサーは自分の虚栄心を満たすために戦ってしまいました。そうすると、これまで刃こぼれさえしたことのない石に刺さっていた1本目のエクスカリバーはたやすく折れてしまいました。

この剣は王のための剣であって、自分のために戦えば何の力も発揮しなかったのです。なんとかその場はしのげたものの、アーサー王は大事な剣を失ってしまい途方に暮れていました。

反省と後悔し、自らの行為を恥んでいたアーサー王に、偉大なる魔法使い「マーリン」はアーサー王をある場所へと導きました。

それはある湖の畔でした。そこで何があるのか、と首を傾げていたアーサー王の前に、湖から出てきた乙女の手があらわれました。

その手には一本の剣が握られており、これが2本目のエクスカリバーとなります。

エクスカリバーは結局何本?

伝承によっては1本目はエクスカリバーでは無く、「王を選ぶ剣」や「石の剣」と呼ばれ2本目だけがエクスカリバーとするものや、1本目の折れたものを修復、鞘に力が込められて2本目のエクスカリバーになったともされています。

古い伝承や時代が下るにつれてアレンジも入っていきますので、どちらが正しいというのは一概に言えなくなっています。

まとめ

アーサー王の持っていたエクスカリバーは、鞘の方が肝心要で持ち主を不死身とする力があったとされています。

しかし、魔女モルガンの手によってその鞘を失ってしまったアーサー王は、息子の裏切りにより最期を迎えることとなります。自ら手で裏切った息子との戦いに終止符を打ったアーサー王ですが、激戦だったため瀕死の重傷を負いました。

そこでエクスカリバーは配下の騎士の手で湖の乙女のもとに返され、アーサー王は妖精の国、アヴァロンへと姿を消しました。

エクスカリバーはブリテンに存亡の危機が訪れた時、再び姿をあらわすといわれていますし、アーサー王もその時同じように妖精の国から戻ってくると現地では伝わっているそうですよ。

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