慌てふためく様子を意味する「テンパる」という言葉は元々ポジティブな意味だった?

慌てふためく人を見て「そんなにテンパるなよ」と思ったり、声をかけることはありませんか?
ところがテンパるというこの言葉は、実は元々ポジティブな意味で使われていたそうです!

最近ではよくない意味で使われるのが一般的ですが、なぜそのように変化したのでしょうか?
その語源から類義語まで「テンパる」について見ていきましょう。

「テンパる」とは

 

そもそもテンパるとはどのような状態のことを意味するのでしょうか?
ここからは日常で使われている「テンパる」という言葉について、『一般的に解釈されている意味』について見ていきましょう。。

テンパるの意味

「テンパる」という言葉は、目一杯の状態になることを意味します。
例えば、無数に仕事があり「自分の力だけでは手に負えなくなっている姿」がテンパっている状態ですよね。
また、「どうしようもない極限状態の様子」そのものをテンパると表現することもあります。

置かれている状況によって多少変わってくるのですが、テンパるは「慌てふためく人の様子」や「切羽詰まった状況」を意味する言葉ですね。

テンパるの類義語

テンパるには似たような意味を持つ言葉もいくつかあるので、以下で類義語をご紹介します。

いっぱいいっぱい

いっぱいいっぱいとは「自分にできる限界な状態」の指す言葉です。
心にまるで余裕がないという意味ではテンパるとほぼ同じ意味です。

ギリギリ

ギリギリは「窮地に追い込まれている状態」のことを意味します。
テンパるも精神的に追い込まれて目一杯の状態を意味するため、とても似ている言葉ですね。

なお、ギリギリという言葉はパンク寸前の張りつめた様子を表すこともあります。

挙動不審

挙動不審は「言動が定まっておらず怪しい感じがある状態」のことを言います。
テンパるとはまた少し違うような気がしますが、落ち着きがなく疑わしい様子という点は似ているかもしれません。

立ち往生

立ち往生は「物事が行き詰まりの状態になり、処理しきれない状態」のことです。

元々は立ったまま命の最期を迎える姿に由来する言葉ですが、現在の用い方はテンパるとも似た状況となっています。
しかし、立ち往生はあたふたしている状態というより、どうしようもなくなって途方に暮れている状態で使われることが多いですね。

袋小路

袋小路は、行き止まりになっていて通り抜けられない小路のことを指します。
転じて「物事が行き詰まった状態」のことを意味するため、テンパるにも近い意味があります。

テンパるの英語表現

テンパるを英語で表現するとどうなるのでしょうか?

panic

panicは日本語でもそのままの意味で「パニック状態」のことを意味します。
突然発生したことに対して「あたふたする状態」、もしくは発生したことに対して「慌てている状態」を指します。

nervous

nervousは「緊張状態で常に気が張り詰めている状態」のことです。
日常会話でも「今はナーバスになっている」など、そのままの状態を指す言葉として使っている人も多いかもしれません。

Lose one’s cool

Lose one’s coolは、「冷静さを失うこと」を意味する英語です。
慌てふためく様子を指す他、興奮したり激高したり頭に血が上っている状況を指すこともあります。

「テンパる」の語源は麻雀用語から?

 

テンパるという言葉自体、そもそもカタカナと平仮名が混合していて不思議な言葉ですよね。
では、どのようにしてこの言葉は生まれたのか、その由来について見ていきましょう。

テンパイ由来説

麻雀では残り1つ牌が入れば上がれる状態のことを、「聴牌(テンパイ)」と呼びます。

おそらく麻雀中に上がり待ちになったのを「聴牌になった」と最初は表現していたのでしょう。
それが次第に名詞に「る」を付ける動詞化が発生し、「テンパる」になったと考えられています。

最初は麻雀用語だったと考えられている「テンパる」は、次第に一般用語としても普及していきました。
つまり、状況が整っていて最後の仕上げを待つだけという状態のことですね。

このことから「テンパる」は最初、「準備が整っていること」もしくは「ものごとが成立する直前の状態」を指す言葉だったといわれています。

なぜ慌てふためく言葉に変わったのか

では、なぜ今では「テンパる」という言葉が、慌てふためいている状態を指す言葉に変わったのでしょうか?
それはおそらく、「完成直前の状態」から『直前の状態』だけ意味が切り抜かれ、意味が変節してしまったからです。

「直前の状態」がさらに「ギリギリの状態」を指すようになり、テンパるは「切羽詰まった状況」や「慌てふためく様子」を表す言葉となったという変化が生じたということになります。

英語由来説

その他にも英語が由来となっている説もあります。

英語では「短気」や「癇癪」を意味する「temper」という言葉があります。
この発音がテンパーということもあり、それが転じてテンパるの由来となったのではないかという説です。

まとめ

普段から何気なく使っている「テンパる」という言葉ですが、これは元々ポジティブな意味で使われていたそうです。
ただ、現在の一般的な解釈ではネガティブな意味で使われているので、ポジティブな意味で使っても相手には通じないことが多いかもしれません。

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