おつまみとしても美味しい「スルメイカ」に旬ってあるの?

スルメイカは日本でもよく食べられているイカですが、その旬はいつなのかご存じでしょうか?
乾物になっていますし、旬なんてあるの?と思う人も多いのではないでしょうか。

そこでここでは、おつまみとして食べられることが多い「スルメイカ」について旬の時期はもちろん、生態や名前の由来などについて見ていきましょう。

スルメイカはどんなイカ?

 

スルメイカは、ツツイカ目アカイカ科スルメイカ亜科スルメイカ属に分類されるイカです。
分類学上ではスルメイカ亜科をスルメイカ科とし、アカイカ科とは別物と考える説もあります。

まずはそんなスルメイカの生態や由来について見ていきましょう。

スルメイカの生態

スルメイカは約1年ほどの寿命を持つイカで、おおよそ27cm~30cm前後にまで成長する海の生き物です。
メスの方が大きくて、オスの方が小さいという特徴があります。

多くのイカにあるように、スルメイカにも漁師の間などでは「耳」と呼ばれる「エンペラ」という三角形のヒレがあります。
ちなみにエンペラがあるのは、イカの頭部だと思ってしまいますが、実は胴体部分だったりします。

また、広い海を回遊する特性を持っており、日本周辺の海域にも生息しています。

日本全国の近海に生息しているスルメイカ

スルメイカは、日本列島近海に生息しています。
水温が約5℃~27℃の間であれば生きていけるため、寒い海域から暖かい海域まで広く分布しています。

オホーツク海から日本海、東シナ海まで幅広く分布しているため、世界中で多くの人に食されてきました。

特に太平洋海域に分布しており、日本全国でも古くから食べられています。
近年では、アメリカのアラスカやカナダなどにまで分布域を広げています。

名前の由来は墨を吐くから?

スルメイカという名前は、「墨を吐き群れを成す」という特性が由来とされています。
この特性から「墨群」と名付けられ、これが転じてスルメになったという説があります。

イカを乾燥させた「するめ」がスルメイカの語源という説もあるのですが、むしろスルメイカの乾物だから「するめ」と名付けられたようです。

スルメイカは一番獲れるイカ

イカの漁獲量のうち、半分以上がスルメイカです。
多い年には、年の漁獲量によっては8割以上がスルメイカの割合になることもあるのだとか。

また、年によって漁獲量が変わりますが、2000年〜2015年の間に漁獲割合が半数を切ったことがないようです。
漁獲量が多いのは北海道、岩手県、新潟県、石川県、長崎県で地域によって漁獲量に差が出てきます。

スルメイカの旬はいつ?

 

スルメイカは1年中獲れるイカなのですが、実は旬があります。
ここからはスルメイカの旬の時期と、なぜ1年中獲れるのかについてご紹介します。

スルメイカは1年中獲れるイカ

スルメイカは、1年中獲れます。
生まれた時期別に3つの群が存在するため、実は通年で漁獲量が安定している海産物でもあるのです。

最盛期は夏となることから、スルメイカの旬は夏だと言われています。
より活きが良いスルメイカを食べたいなら、夏が狙い目ということになります。

スルメイカが1年を通して獲れる理由

1年ほどしか生きることのできないスルメイカが通年で獲れるは、スルメイカの生殖時期にあります。

実はスルメイカは出生時期が年3回ほどに分かれていて、1回目が春から夏にかけて、2回目が秋、3回目が冬です。
ところが、生まれる時期によってスルメイカの大きさも変わってくるのだとか。
1年を通して産卵時期があるとはいえ、そこには違いもあるようです。

ちなみに同じ個体が年に3回卵を産むわけではありません。
スルメイカは卵を産むと力尽きてしまうので、生涯に一度しか卵を産めません。

水揚げ量が一番多いのは夏

年3回出生時期のあるスルメイカですが、水揚げ量が一番多いのは夏です。
夏にもっとも獲れることから、スルメイカは「夏イカ」と呼ばれることもしばしばあります。

特に6月頃から漁獲量が増え、7月~9月が最盛期となります。
この時期に獲れたスルメイカは特に身もプリプリ&コリコリしていて弾力が強く、旨味も凝縮されています。

美味しいスルメイカを食べるなら夏で決まりですね!
ちなみに「夏イカ」という別名ですが、地域によってはアオリイカなど別のイカを「夏イカ」と呼ぶこともあるようなのです。
購入する際はスルメイカなのかどうか確認も必要ですね。

その他にも、春から夏に獲れる小ぶりなスルメイカは「バライカ」や「ムギイカ」という別称があり、季節に合わせた呼び名があります。

スルメイカに関する豆知識

 

ここからは、スルメイカの中でも特に「するめ」に関する豆知識をご紹介します。

するめはスルメイカとは限らない

イカの内臓を取り除いて乾燥させた加工食品を主に「するめ」と呼びますが、実はスルメイカだけが「するめ」になるとは限りません。
するめは、天日干しや機械乾燥によって作られたイカの乾物を指すので、スルメイカだけに限ったことではないのです。

するめという名前からスルメイカのみを指すと思われがちですが、古くは加工前のイカ全体をするめと呼んでいたようです。
そのため、ヤリイカやケンサキイカがするめにされることもあります。

するめの主役はスルメイカじゃない

するめには、等級や種類があります。
中でも「一番スルメ」と呼ばれるものは、ヤリイカあるいはケンサキイカで作られた乾物なので、実はスルメイカは主役では無いということになります。
スルメイカは「二番スルメ」に該当するため、等級の面からみるとひとつ格落ちの存在になっています。

ちなみに、シリヤケイカの甲付スルメや、アオリイカの袋スルメといった種類のするめもあります。

まとめ

スルメイカは日本で水揚げされるイカの多くを占めます。
1年を通して獲れるイカですが、他の時期よりも漁獲量が漁獲量も各段に多くなる夏が旬とされています。

なお、するめなど通年で美味しい乾物もありますが、これはスルメイカだけとは限りません。
現在のするめの中で高級品とされているのは、五島列島周辺で獲れたケンサキイカやヤリイカを使って作ったものとされています。

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