「忍者刀」は侍の刀と何が違うの?実は忍者は使っていなかった可能性も!?

忍者が使っている刀は、侍が使っていたものとは違い、様々な仕掛けが施された万能ツールです。

ただ、具体的に「忍者刀」と「侍の刀」はどのような違いがあるのか分かりにくいですよね。

そこで、ここではそれらの違いについてはもちろん、忍者が実は忍者刀を使っていなかったという噂についても解説したいと思います!

忍者刀とは

忍者刀とは、忍者用に作られた日本刀のことです。

忍刀(しのびがたな)」と呼ばれることもあり、侍が使っていた日本刀とは違って機能性や携帯性に優れているのが特徴です。

まずは忍者刀の形状についてご紹介します。

形状

忍者刀は、刃の反りが少なく直刀に近い形状をしているのが特徴です。本来の日本刀は反りがあるのですが、忍者刀には反りがありません。

また、日本刀は長刀の本差と短刀の脇差がありますが、忍者刀の長さは大体その本差と脇差の中間くらいの長さが特徴となっています。

付属の鍔は大きく角ばっており、鞘は光を反射して目立ってしまわないように艶消し加工が施されているそうです。

さらには下緒と呼ばれる紐も長く、戦い以外にも使っていたと考えられています。まさに忍者としての任務を遂行しやすいように作られている刀なのです。

忍者刀の凄いところ

日本刀に比べて、忍者刀はどちらかというと万能ツールのようなものだったといわれています。その根拠となる事実も残っているので、ここで簡単にご紹介します。

踏み台に

忍者刀の鍔が大きいのは、踏み台にするためだったそうです。また、下緒が長いのは踏み台にした後に回収するためだったようです。

忍者は壁や屋根などから潜入することが多かったため、単に切り合うための道具ではなく、移動するためのツールとして忍者刀を有効活用していたと考えられています。

鞘で刺す

忍者刀の鞘は先が尖っており、踏み台にする際に地面に刺さって安定するようにという意味と、刀を使わずとも鞘だけでも刺すことが出来るようになっていたようです。

シュノーケル

忍者刀は鞘の先端が取り外し可能となっており、水に潜った際などにシュノーケル代わりになるものもあったと考えられています。

忍者は敵に見つからないよう、水に隠れることも必要だったため、水中でも呼吸できるように改良されていたわけです。

ただ、物理的に考えると鞘をシュノーケル代わりに使うのは相当な肺活量がある人でない限りは不可能に近いともいわれています。

これに関しては忍者のように日々鍛錬をしていた人だからこそ、シュノーケルとしても使えたのかもしれませんね!

小物入れ

忍者刀は取り外し可能な鞘の先端部分に、薬を収納するなど小物入れとしても使えたそうです。

確かに忍者は傷も絶えない仕事だからこそ、薬を常に常備しておきたいですよね。

大きな薬箱を持つと移動が困難ですし、そもそも荷物が多くなれば敵にも見つかりやすくなります。

そのような背景もあって、忍者刀を小物入れとして使い始めたのかもしれませんね。

歴史の記録

様々な逸話が残っている忍者刀ですが、歴史の記録によると、実際に忍者が使ったという記録はほとんど残っていないそうです。

忍者が使った記録は少ない

日本で暗躍した忍者は服部半蔵や風魔小太郎などが有名ですが、実際に忍者刀を使用したという記録はほとんど残っていないようです。

そもそも忍者が実在したのかという点はもちろん、その任務の多くが秘密裏に行われるものだったことから、記録が残っていないのも当然のことです。

事実、伊賀忍者や甲賀忍者など有名な忍者一族も、忍者刀ではなく日本刀を使っていたという記録が残っているようなので、もしかしたら忍者刀は存在していなかったのかもしれません。

現存は展示用?

現存している「忍者刀」と呼ばれるものは、その多くが明治時代に観光施設の展示用として作られたものらしいです。

ある種で日本で暗躍した伝説のような存在に近いため、忍者というのはどこまでも未知の存在と言えます。

日本刀との違い

忍者刀と日本刀には、どのような違いがあるのでしょうか?

同じジャンルだけど別物だといわれる、忍者刀と日本刀の違いについてご紹介します。

使い方

使い方としての最も大きな違いは、「切る」か「刺す」かの違いです。日本刀の切れ味は世界的にも有名で、切ることに非常に長けた形状をしています。

しかし忍者刀は直刀のため、切るより刺すことが得意な刀となっています。

狭い場所で暗躍することが多い忍者は、大きな動作をすることが出来ないので、直線的に刺すという行動が重視されたのでしょう。

また、忍者刀と日本刀では道具としての意味合いも違います。

決闘で切り合う際に、侍が使う日本刀ですが、かつては刀そのものが使う者の魂と認識されていたそうで、侍にとって日本刀は特別な存在でした。

その一方で忍者刀は、日本刀の一種ではあるものの、忍者にとっては魂というような存在ではなく、単純にツールという認識です。

自身の魂として帯刀するというよりは、便利な道具として使っていただけに過ぎないものなのです。

美術品としての価値

日本刀は所持者や鍛冶職人によって美術品としての価値が付くのに対し、忍者刀の多くは観光用に作られたもので美術品や歴史的価値があるようなものはありません。

美術品としてなら忍者刀よりも、日本刀の方が遥かに価値があると言えるのではないでしょうか。

まとめ

忍者がかつて使っていたとされている「忍者刀」は、実際のところ使っていたかどうか怪しいといわれています。

ただ、もし本当に実在したのなら、まさにそれは万能ツールだったと言えるでしょう。

日本刀とは使い方が違いますが、これはこれで日本の歴史を物語るものの1つとして知っておきたいですね。

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