「つつがなく」の意味や語源は?「ツツガムシ」というのもいるって知ってた?

「つつがなく」とは、何の病気や災難などもなく、健やかに穏やかに日常を過ごすことを言います。
物事が順調に進むことをあらわす表現としも使用されます。

この「つつがなく」と音がそっくりな「ツツガムシ」というのがいるのですが、両者は関係あるのでしょうか。

そこでここでは、「つつがなく」という言葉の意味や語源を解説を進めていきます。

「つつがなく」とは

まずは「つつがなく」という言葉の意味と類義語を解説していきます。

「つつがなく」の意味

「つつがなく」とは、何の病気や災難がなく日常を過ごすことを言います。
生きていると何かと不運に見舞われることが多いですが、「つつがなく」はそういうものに巻き込まれずに健康な日々を過ごすことを指した言葉なのです。

また、物事の進行がスムーズなことを表現する際にも用いられます。

「つつがなく」の類義語

つつがなくは状況によっては「首尾よく」や「滞りなく」と表現を変えることもできます。

首尾よく

「首尾よく」とは、都合よく物事が進んでいく状況をあらわしています。

首尾の「首」は始まりを、「尾」は終わりをそれぞれ意味しています。
それが「良い」状態であるため、意味合いとしては最初から最後までうまく物事が運ぶことの意味となるわけです。

滞りなく

「滞りなく」とは、物事が遅れたり邪魔されたりすることなく進むことを意味します。

文字通り「滞り」が「ない」状態のことを意味する言葉で、物事に邪魔が入らず進んでいくことを表した表現となります。
トラブルなどがなく物事が捗ることを指すため、順調という意味で使われることも多いです。

「つつがなく」の語源と歴史

「つつがなく」には、どのような語源あるのか。
また、その利用の歴史について解説いたします。

漢字表記は「恙無く」

「つつがなく」を漢字表記にすると「恙無く」となります。
この「恙(つつが)」自体が、病気や災難のことを意味する言葉です。
恙が「ない」状態、つまり特に問題などがなく無事であることを指す言葉が「つつがなく」という言葉なのです。

恙無くの実例は歴史で習うあの文章にも?!

「つつがなく」は、日本史でも習うような「日出ずる処の天子~」から始まる、有名な一文にも登場しています。
かの小野妹子が遣隋使の一員として運んだ国書の一文には、「隋書」の「東夷傳俀國傳」に「日出處天子致書日沒處天子無恙云云」とあったとされています。

このことから「つつがなく」という表現は、すでに飛鳥時代にはあったことがわかりますね。

ツツガムシとつつがなくの関係

「つつがなく」という言葉とそっくりな音のツツガムシというダニがいます。
このツツガムシと「つつがなく」には関係はあるのでしょうか。

ツツガムシとは

ツツガムシとは、ツツガムシ科のダニのことです。

このツツガムシ科に属するダニは、日本だけで約100種類ほどいるとされ、特定の種類を指すわけではありません。
日本以外にも生息しており、海外では東アジアから東南アジアに広く分布しているとされています。

その体色は、幼虫でオレンジ色なものが成虫で赤色と変化します。
体長は約0.2mm~0.3mmと非常に小さく姿を捉えられないほどです。

このツツガムシ、菌を持っています。
ツツガムシの種類によっては、ツツガムシ病リケッチアという菌を持っているそうです。

この菌を保菌した個体に吸着されるとツツガムシ病になります。
日本では実際に感染した人の中で命を落としている人もいるため、人間の健康を害する生き物と言えるでしょう。

ツツガムシはつつがなくの語源ではない

このツツガムシから、「つつがなく」という言葉が生まれた・・・わけではありません。
『つつがなくお過ごしでしょうか~』という手紙のはじまりが、「ツツガムシに刺されず、お元気でしょうか」の意味とされることもありますが、これは誤りです。
前述のように、「恙」という漢字自体に病気といった意味があり、そこから生まれた言葉だからです。

むしろツツガムシは、「つつがなく」という言葉が生まれた後、あまり関係ないところから命名されています。

かつて日本では原因不明のある病気がありました。
その病気は、発熱や倦怠感、発疹の症状が出るとされました。
この原因不明の病気は、「恙虫」という妖怪に刺されることで発病すると信じられてるようになりました。
明治時代になると、この病気がダニの一種による感染症とわかりました。

そして、原因となるダニは妖怪からツツガムシと命名され、病名もツツガムシ病と呼ばれるようになりました。

かつてその存在が信じられていた妖怪「ツツガムシ」

かつて日本では、ツツガムシという妖怪がいるとされていました。

場所は現在の島根県西部である石見国でのこと。
夜な夜な民家に入り込んでは寝ている人間の生き血を吸う「ツツガ」という妖怪がいるとされてきました。
この「ツツガ」に刺されると、生き血を吸われるだけでなく、命を落とすものも多かった。
そこで、恐ろしいツツガは、天皇の命を受けやってきた陰陽博士によって退治された、という物語が伝わっています。

まとめ

「つつがなく」は、物事に何の支障もなく進んでいくことを意味しています。
特に病気や災難がなく過ごせることをあらわして用いられます。

この言葉の類義語としては、「首尾よく」や「滞りなく」などがあります。

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