「八十八夜」とはいつあるもの?なにかをする日なの?「十五夜」とは関係ある行事?

「八十八夜」は、農業に関する暦のひとつです。
夜のつく言葉としては十五夜や十六夜などがありますが、これらとは時期も異なりますし直接の関係もありません。

八十八夜というのは、立春から見て88日後のことですが、どのような日とされるのかをここでは解説していきます。

八十八夜とは

 

まずは、八十八夜がいつある日なのかを見ていきましょう。

八十八夜は立春から88日後のこと

八十八夜があるのは、節分の翌日にあたる立春から数えて88日後です。

この八十八夜は、春から夏になる季節の変わり目とされています。
ちょうどこの日を境に、気候がだんだんと暖かく穏やかになってくるとされています。
そのため、霜も降らなくなるとされることから「八十八夜の別れ霜」や「八十八夜の忘れ霜」という言葉もあります。

暦の上での夏というと「立夏」の事ではないか、と思うかもしれません。
しかし、この立夏など二十四節という暦は古代中国で生まれたものです。
そのため、日本とは天候が異なり、差異もありました。

この中国の暦と実際の天候の差を調整するために日本独自の暦として生まれたのが、八十八夜をはじめとした「雑節」です。
他にも、節分・彼岸・土用といった雑説があります。

八十八夜はいつ?

八十八夜は前述のとおり、立春の88日後です。
立春があるのは、毎年2月の頭です。
前日が節分なので、多くの場合2月4日前後と考えて構いません。

八十八夜はその3ヶ月弱後なので、5月初旬という事になります。
多くの場合1日か2日、場合によっては3日になります。

以下で向こう数年分のの八十八夜をまとめてみました。


・2023年5月2日(火)
・2024年5月1日(水)
・2025年5月1日(木)

 

年によって前後するため、前年と一緒とは限らないという点に注意が必要ですね!
なお、八十八夜がいつになるかが確定するのは前年となります。

十五夜とは無関係

八十八夜という言葉は夜という漢字がついていることから、「十五夜」と関係があるように思うかもしれません。
しかし、八十八夜と十五夜の間に関係性は特にありません。

十五夜は秋の中頃、旧暦8月15日の満月の夜のことです。

立春から日数を数えた八十八夜とは用法が全く異なります。
また、旧暦で毎月16日の夜のことや十五夜の翌日の月を指す「十六夜(いざよい)」とも関係ありません。

八十八夜は気候の変わり目や境となる時期のことを指すのに対して、十五夜や十六夜は月齢やその日のことを指しています。

八十八夜には何をするの?

 

八十八夜には具体的に何をすると定められているわけではありません。
しかし、八十八夜は農業を始めるのに最適な時期とされており、農業に関するいわれがいくつかあります。                                     

農作業を始める目安

       
                      
八十八夜を迎えると、霜が降りなくなるとされます。
春の寒かった時期から徐々に暖かくなり、農業をするのにも最適な時期へと移行していきます。

そのため、八十八夜は古くから農作業を始める目安とされることもありました。

また、「米」という字を分解すると「八 十 八」となり、末広がりの八が重なります。
このことから、奇しくも同じく「八十八」を用いた八十八夜は縁起がいい日とされてきました。
別名で「農の吉日」とも呼ばれています。

八十八夜に摘まれた新茶は縁起物!

茶摘歌に「夏も近付く八十八夜」とあるように、お茶と八十八夜には密接な関係があります。

ちょうど八十八夜のころ、お茶は新茶を摘む時期を迎えます。
そして、この八十八夜に摘まれた新茶というのは、特に縁起物として重宝されています。
いち早く芽吹いた茶葉は栄養成分や旨味成分をたっぷりと含んでおり、地域によっては「病気にならない」「長生きできる」などと言い伝えもあります。

八十八夜は特にこれと言った大きな行事があるわけではありませんが、お茶を飲んで健康祈願をするのが良しとされています。

八十八夜から生まれた?!驚きの記念日「メイストームデー」

 

みなさんは「メイストームデー」という言葉を聞いたことがありますか?
メイストームデーというのは、5月13日に制定されている日本の記念日です。

「メイストームデー」とは

このメイストームデー、なんの記念日かといえば、「恋人に別れ話を切り出すのに最適な日」とされています。

その起源ははっきりしていませんが、このメイストームデーは八十八夜が発祥に関わっているとされています。
「八十八夜の別れ霜」といった霜が降りるのが終わり、という天候から生まれたのではと考えられているのです。

では、なぜ八十八夜と同じ5月の頭ではないのか。
それは、5月13日が2月14日のバレンタインデーの88日後だからとも。

ちなみにメイストームとは、4月から5月にかけて温帯低気圧の発達により大風が吹く気象現象のことです。
メイストームデーは、別れを告げることを春の嵐にかけて命名されたようです。

まとめ

八十八夜は、立春から88日後にあります。
農作業を始めるのに最適な日とされています。
また、この日に摘まれるお茶は、縁起物として昔から重宝されてきました。

ちなみに旧暦8月15日に見られる満月を指す十五夜とは関係ありません。

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