彼岸花は怖い花?墓所周辺でよく見かける理由や花言葉を解説!

彼岸花と聞くとどこか怖い花というイメージを持つ人が多いです。
これはお墓の周辺でよく咲いていたり、見事な赤い花が血を連想させるからともいわれています

実際のところでいうと、彼岸花には毒があり、その球根を食べると小動物なら命を落としてしまう事もあるそうなので、怖いというイメージは間違いではないかもしれません。

そこでここでは、怖いというイメージを持たれることもある彼岸花についてまとめていきます。
彼岸花がどういう花なのかはもちろん、なぜ死を連想させる花となったのかなど気になる点を解説します。
花言葉についても併せてご紹介します。

彼岸花には毒がある?!

彼岸花には、最愛人の命を奪ってしまうこともある毒があります。
大量に摂取しなければ死に至ることはありませんが、それでも中毒症状が起こりうるそうです。

彼岸花の毒

彼岸花にはアルカロイドという有毒物質が含まれています。
これらは主にリコリンやガランタミン、セキサニン、ホモリコリンなどから構成されており、人間にも害を及ぼします。

これらの毒を体内に摂取してしまうと、嘔吐や下痢、呼吸困難などを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
酷い場合は中枢神経の麻痺を引き起こし、苦しみながら死に至るケースもあるとされています。

くれぐれも彼岸花を口にしないようにしてください。
誤食される際は、姿が似たねぎの一種で食用のアサツキなどと取り違えて、という事があるようです。
素人判断で野草などを口にすると危ないという事ですね。

大量に摂取しない限りは死に至ることは無いといわれますが、それでも十分な注意が必要です。

墓所にあるのは毒があるからこそ?

彼岸花と聞いて墓所を想像する人も多いはずです。
では、なぜ「彼岸花=墓所」なのでしょうか?

これには彼岸花に毒があること自体は昔から分かっていたからです。
現在でこそ、火葬されるのが一般的ですが、かつては土葬が主流でした。

そのため、モグラやネズミといった動物が墓所を荒らすこともありました。
そこで、有毒性のある彼岸花を墓所やその周辺に植えることで、害獣が近寄ってこないようにしたとされています。

つまり、彼岸花は動物除けとして植えられているわけです。
それが「彼岸花=墓所」というイメージが生まれ、次第に縁起の悪い花や不吉な花とされるようになったのです。

彼岸花には不吉めいた別名が多い

彼岸花という名前自体は、秋の彼岸の頃に花茎を伸ばして鮮やかな紅色の花を咲かせることから来ています。
また、毒があることから「食べると彼岸(死)しかない」という意味で名付けられたともいわれています。

そんな彼岸花の別名は不吉めいた別名も多いです。
墓花や地獄花、死人花、幽霊花など。
まさに死を連想とさせる別名ばかりです。

仏教から来た別名もある

縁起のよくない名前が多いですが、仏教に由来する別名もあります。
それが曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という名前です。

これはサンスクリット語で「赤い花」や「葉に先立ち咲く花」という意味があります。
この曼殊沙華という花は、仏教において「伝説上の天の花」を指します。
「見る者の悪業を祓う」ともいわれています。

そんなありがたい花と同一視した名前も付けられているのです。

彼岸花に関わる物騒な言い伝え

彼岸花には物騒な言い伝えも多々あります。
その1つが火事に関係する言い伝えです。

彼岸花は、花の形が燃え盛る炎のように見えます。
そこから、「花を採ったり家に持って帰って来たりすると火事になる」という言い伝えがあります。

もちろん、これは科学的根拠のない言い伝えです。
むしろこれは、彼岸花が有毒植物であるため、子供たちが触るのを戒めさせるための言い伝えだとされています。

毒はあるが、食用にされることも

そんな彼岸花は毒がある一方、実は食用とされることもあります。
ここからは食用としての彼岸花についてまとめます。

彼岸花の開花時期と食用となる箇所

彼岸花の開花時期は9月~10月にかけての秋です。
早いところでは7月から咲き始めることもあります。

そんな彼岸花の鱗茎に含まれる有毒成分は水溶性です。
そのため、すり潰して長時間水に晒すと毒が抜くことができます。
そして、この毒が抜けた箇所は食べることが可能です。

救荒作物としての彼岸花

その特性から、古くは彼岸花は飢饉の際に非常食となる、救飢植物であったとされています。
また、第二次世界大戦中においても、非常時に食用とされたという話もあります。

畑の周りに植えておけば、モグラなどの害獣から農作物を守ることができ、最終手段として毒抜きしたら食べることができる、そんな重要な役割のある植物なんですね。

彼岸花の花言葉

ここからは彼岸花の花言葉をご紹介します。
彼岸花は赤以外にも、白や黄色の花を咲かせるものもありますので、色別の花言葉もご紹介します。

彼岸花全般の花言葉

彼岸花の全般的な意味としては「情熱」「独立」「再開」「あきため」「悲しい思い出」「旅情」などがあります。
ポジティブな花言葉も多いですが、その一方でネガティブな花言葉も多いですね。

赤い彼岸花の花言葉

赤色の彼岸花の花言葉は「情熱」です。
これは、色鮮やかな紅色の花を咲かせる彼岸花の見た目にちなんでいます。

白い彼岸花の花言葉

白色の彼岸花の花言葉は「また会う日を楽しみに」です。
どこか墓所に咲き、彼岸の時期に咲く彼岸花の特徴を思わせる花言葉となっています。

黄色い彼岸花の花言葉

黄色の彼岸花の花言葉は「深い思いやりの心」です。
彼岸花は死を連想させる一方で、逆にその死を弔いの様子をあらわすような花言葉もあります。

まとめ

彼岸花は墓所やその周辺で花を咲かせていることも多いため、不吉なイメージを持たれることもあります。
これは、彼岸花が持つ毒によって害獣を寄せ付けないようにするためとされます。
しかし、実際に人間の命を奪う毒を持っているため、怖いというイメージを持つのも間違いではないかもしれません。

関連記事はこちら

彼岸花で埋めつくされた幻想的な光景に反響「この世に存在しない風景のようだ」「言葉を失う」
まるで極楽浄土…埼玉県・日高市巾着田に咲く、500万本の曼珠沙華が美しすぎる

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事