動物の数え方はいくつかありますが、よく使われるのは「匹」や「頭」です。
この数え方は、成り立ちによる違いと使い分けがなされています。
時系列としては「匹」という数え方がもともとあり、後になって「頭」という数え方が生まれたとされています。
ここでは、そんな動物の数え方である「頭」や「匹」を用い方も含めて見ていきましょう。
目次
動物の数え方「匹」
まずは「匹」という数え方について見ていきましょう。
「匹」は動物のお尻から
「匹」という漢字は、動物のお尻から来ています。
古くから人間の生活に役立つ存在とされてきた家畜。
その家畜の中でも、馬は車を引かせたり農耕をさせたり、重宝されてきました。
その結果、馬のお尻を眺めることが多くありました。
誰もが知る通り、馬のお尻は2つに分かれていますよね。
そこから2つに割れたお尻を持つ動物を匹で数えるようになりました。
「匹」という数え方は、馬のお尻から来たというわけですね。
それ以降、動物全般を匹で数える習慣が定着したとされます。
また、同じ理由で2つで1つのものをあらわす単位や言葉としても「匹」は用いられてきました。
「匹」と数える動物
「匹」で数える動物は多くいます。
語源からして、動物全般を数えるときの数え方は原則として「匹」で問題ありません。
現在では、小型の動物など、人が抱えることができるサイズ感の動物はすべて対象となります。
小型犬や猫などは「匹」で数えるという事になります。
動物の数え方「頭」
次に「頭」という数え方について見ていきましょう。
英訳から来た「頭」
「頭」という数え方は、動物の頭そのものから来ています。
この数え方は比較的新しく、明治時代以後に日本で広まったとされます。
アメリカなどでは、馬などの動物を"head"で数えていました。
これは、放牧などしている際に、牛は頭が何個あるという意味で"●head"と数えられていたのが由来とされます。
そして明治時代、日本で英語が広まる中で、この"head"という数え方は「頭」と直訳されました。
この英語からきた「頭」という数え方が、日本中に広まったことで現在の用いられ方に発展しました。
「頭」と数える動物
「頭」で数える動物は大型動物に限定されます。
人間よりも大きな大型動物などが対象となります。
特に人が抱えられないような大きさのある動物を「頭」で数えます。
なので、語源的には馬は「匹」のようにも思いますが、大型の動物なので「頭」で数えられます。
牛なども同じです。
また、人が抱えることのできない大型犬も「頭」で数えられる傾向にあります。
そして盲導犬のように人間のために働く存在も一部「頭」で数えられます。
特殊な数え方をする動物
動物は全般的に「匹」、大型なら「頭」で数えると解説してきました。
しかし、動物によっては固有の数え方があります。
ここからは、そのような特殊な数え方についてご紹介します。
ウサギはなぜ「羽」と数えるの?
ウサギは、1匹や1頭ではなく1羽と数えることがあります。
これは仏教の考えから来ているという説があります。
仏教では、4本足の動物を食べることが禁じられている時代がありました。
そこで僧侶たちは、大きな耳を羽だとし、二本足で立つこともあることから、ウサギを鳥の仲間だとして食べていたのだとされます。
このことから、ウサギは鳥の仲間なので「羽」と数えられるようになったのだとされています。
また、昔は束ねたものを「把」と数えていました。
そしてウサギもまた、捕まえると耳を掴んでいたことから「把」と数えられていたのですが、しだいにこれが「羽」に変化したともいわれています。
クジャクの数え方は「面」
クジャクは羽だけではなく、「面」と数えることもあります。
これはクジャクの飾り羽を広げた姿が、扇に似ているところから来ています。
扇の数え方が「面」なので、それに合わせてクジャクを「面」と呼ばれる事があるのです。
まとめ
動物の数え方にある「匹」や「頭」。
「匹」という数え方は、馬のお尻から来ているとされます。
「頭」は、英語での牛などの数え方から来ているのだとか。
現在では、「人が抱えることができるくらいの小型動物は匹、原則的にどの動物も匹で数えて問題ない」、「大型動物は頭」と数えるのが一般的とされています。