夏になるとやって来る、暑くて寝苦しい夜。
そんな寝苦しい夜のことを「熱帯夜」と呼ぶことがあります。
ところで、この熱帯夜というのはどのくらいの何度からといった定義はあるのでしょうか。
結論を先に言ってしまうと、熱帯夜は最低気温が摂氏25度以上の夜を指しますよ。
今回はそんな熱帯夜について見ていきましょう。
また、他の暑さに関する日についても解説します。
目次
「熱帯夜」に定義はある!
まずは、熱帯夜にまつわる定義を見ていきましょう。
「熱帯夜」の定義
熱帯夜は、気象庁用語のひとつで、その日の最低気温が摂氏25度以上となる夜のことをあらわします。
この「熱帯夜」という言葉自体は、気象エッセイストの倉嶋厚さんが生み出した造語とされています。
日本では、夏になると日照時間が長くなります。
そうすると熱が土地や建物に伝導して蓄積されます。
その結果、コンクリートやアスファルトなど熱容量の大きい物質から熱放射が発生します。
それが夜も続くため、太陽が沈んでも気温が下がりません。
これが熱帯夜となる原因の一つとされています。
厳密に観測されているわけではない
実は、熱帯夜は厳密に観測されているわけではありません。
1日(0時~24時)の最低気温は公開されています。
そして、1日の最低気温は夜間になることが多いとされます。
そこからメディアなどは、その日の最低気温が摂氏25度以上だったかどうかを確認することで、熱帯夜だったかどうかを判別しているのです。
実際、気象庁の具体的な統計種目には入っていないため、厳密に観測されているものではありません。
「熱帯夜」よりも暑い夜がある?
その日の最低気温が摂氏30度以上となった際は「超熱帯夜」と呼称されることがあります。
熱帯夜を超える暑さということからその名称は来ています。
過去に2013年8月の東京や2018年8月の福岡、2020年8月の大阪などで超熱帯夜が記録されています。
しかし、こちらも気象庁の用語ではありませんので、通称の一種という事になります。
夏日や真夏日に猛暑日などとの違いは?
熱帯夜は、暑さを示す日とは若干異なる言葉です。
熱帯夜は原則として夜を指す言葉となります。
しかし、夏日や真夏日などの言葉は昼を指す言葉です。
そこは、最低気温が対象なのか最高気温が対象なのかという違いがありますよ。
「夏日」とは
夏日とは、最高気温25度以上の日のことです。
近年では、最高気温が25度以上となる年も珍しくありません。
そのため、夏はほとんどが夏日となることもあります。
「真夏日」とは
真夏日とは、最高気温30度以上の日のことです。
かつては最高気温が30度以上となることは多くありませんでした。
しかし、現代では6月~8月の間に観測されることも多いです。
なお、真夏日になると同時に熱帯夜になることも多くなります。
「猛暑日」とは
猛暑日とは、最高気温35度以上の日のことです。
似たような言葉に酷暑日というものもあります。
「酷暑日」とは
酷暑日は、猛暑日と同じく最高気温35度以上の日のことです。
昔は、最高気温が摂氏35度以上となる日があまりありませんでした。
そのため、稀にある摂氏35度以上の日をメディアが独自に酷暑日と表現していたようです。
その後、摂氏35度以上となる日が増えたことで状況が一変します。
観測されることが多くなったことで、気象庁が正式に猛暑日という定義を設定したのです。
それ以来、酷暑日よりも猛暑日という言葉を耳にする機会が多くなりました。
まとめ
熱帯夜は、最低気温が摂氏25度以上となった日の夜のことを言います。
熱帯夜は日中温められた空気が蓄積し、夜中も気温が下がらない日に発生します。
また、最低気温が摂氏30度以上となると「超熱帯夜」と呼称される事もあります。