ぐずぐずと怠惰に過ごしている様子を「ぐうたら」と表現します。
この「ぐうたら」は、愚かであるという意味合いを含む表現です。
実際、相手を罵倒するニュアンスでも使用されます。
では、この「ぐうたら」は、どのような成り立ちの言葉なのでしょうか?
ここでは、この「ぐうたら」という言葉についてみていきましょう。
目次
「ぐうたら」とは
まずは「ぐうたら」が、どのような言葉なのかを見ていきましょう。
「ぐうたら」の意味
「ぐうたら」は、気力に欠けていてすぐ怠けようとすることを意味します。
やる気がなく、不精でいい加減な様子も指します。
また、のんびりぐずぐずして働かない様子にも使用されます。。
これらは、いずれも無気力でのんびりとした様子をあらわしているという共通点があります。
近年では、怠け者を指すこともあります。
「ぐうたら」の用い方
「ぐうたら」は名詞・動詞・形容詞として使用できる言葉です。
名詞として使用する際は「あの人はぐうたらだ」といった表現がされます。
動詞としてなら「ぐうたらしたい」といった用い方をします。
形容詞としてであれば「ぐうたらな生活」のような表現が可能です。
口語として使うことが多く、文章表現としてはあまり用いません。
「ぐうたら」の由来
ここからは「ぐうたら」の成り立ちについて見ていきましょう。
「愚」+「弛む」から来たとする説
昔は、人々は汗水垂らして働くことが毎日を生きるために必要なものと考えていました。
特に自分が任された仕事を怠けるなど、あってはならないことでした。
この考えがあった江戸時代に「ぐうたら」という言葉は生まれたとされます。
「愚」を長音化した「ぐう」と、「弛む」が転訛した「たら」が合わさった言葉とされています。
愚かな人を強調する表現として成立したというわけですね。
「愚」を擬人化した「愚太郎兵衛」ことから来たとする説
かつては、やる気のない人を「愚太郎兵衛」と呼ぐこともあったそうです。
これは、「愚」という言葉を擬人化した表現となります。
そして一部変化したことで「ぐうたら」になったという説もあります。
スコットランドの「グウタル」から来たとする説
「ぐうたら」は、イギリスのスコットランドの言葉から来たという説もあります。
スコットランドの言葉に、怠けることを意味する「グウタル」という表現があります。
また、怠ける人のことを「グウタラー」と表現するのだとか。
これが日本に何かしらの形で伝わり、「ぐうたら」という言葉になったというのです。
「ぐうたら」の類義語
「ぐうたら」の類義語には「ものぐさ」や「ずぼら」「だらしない」などがあげられます。
ものぐさ
「ものぐさ」は、面倒がってなかなか行動しないことをあらわす言葉です。
手間に感じることを避けることを「ものぐさ」と表現します。
重たい腰が上がらないような様子を指すことも多いです。
これらは「ぐうたら」と似たような状況をあらわした言葉です。
ずぼら
「ずぼら」は、やるべきことを疎かにすることを意味します。
本来やらなくてはならないことを疎かにすることを指します。
日常生活ではお風呂やシャワー、歯磨きや洗顔など身の回りのことができない人に「あの人はずぼらだ」と言ったりします。
だらしない
「だらしない」は、いい加減できちんとしていないことをあらわしています。
身だしなみや身なりはもちろん、仕事などでも使います。
総じて動きが遅く、自分のことができていない人に対して用いる表現です。
まとめ
「ぐうたら」は、ぐずぐずしている様子を指す言葉です。
主にダメ人間などに対する表現として使用されます。
この「ぐうたら」は「愚」という漢字から来たとする説や異国から伝わってきたとする説があります。
どちらにせよあまり良い意味は持たない言葉です。
人に使用する場合も人から言われる場合も注意したいですね。