「れっきとした」という表現は日常会話でも使用される言葉です。
ところが、この「れっきとした」という言葉には実は2つの意味があります。
今回は、この「れっきとした」という言葉の意味や成り立ち、その類義語について見ていきましょう。
目次
「れっきとした」の2つの意味
「れっきとした」という言葉は、おおきく2つの意味で用いられます。
ここでは、それぞれの意味を見ていきましょう。
意味①:確かなもの
「れっきとした」は、確かなものとして世間から認められている様子を指して用いられます。
紛れもなく明らかなことや、出どころなどがはっきりしている際にしようします。
つまり、偽物ではなく本物であることを意味する表現となります。
2つ目が、身分や家柄などが高く立派である様子です。
階級が高いというニュアンスで使用されることもあります。
これらはその人の地位や名誉なども含めた表現となります。
意味②:身分が高い
また、「れっきとした」は、身分や家柄などが高く立派であることを指す際にも用いられます。
階級が高いというニュアンスで使用されることもあります。
「れっきとした」の語源は「歴」
「れっきとした」は、「歴史」などの漢字表記として用いられる「歴」から来たとされています。
では、どのような経緯があって、「歴」が「れっき」へとなったのかを見ていきましょう。
「れき」から転じた「れっき」
「歴」という漢字は、「歴史」の他に「歴然」「歴々」といった言葉にも使用されています。
これらの表現では、ありありとしていることや明らかなこと、はっきりしていることという意味で用いられています。
これが転じて、正真正銘や由緒正しいといった意味で使用されるようになったとされています。
「列記」は無関係
「れっきとした」を漢字表記するなら「歴とした」となります。
音は全く同じですが「列記とした」ではありませんのでご注意ください。
「列記」とは、並べ立てて書き記すことを指します。
そのため、「れっきとした」とはまったくの無関係となっています。
「れっきとした」の類義語
最後に「れっきとした」の類義語を見ていきましょう。
まぎれもない
「紛れもない」とは、間違いようもないことや明白なことをあらわす言葉です。
「紛れ」とは他のものと入り乱れること、よく似ていることを意味しています。
区別がつかないようなことを指して使用されます。
その否定形なので「紛れもない」は、明らかであることやはっきりしていることの表現となるわけです。
押しも押されもせぬ
「押しも押されもせぬ」とは本来、自分から押すこともなく他人から押されることもないという意味があります。
転じて、確かな実力や能力を備えていることを指すようになりました。
人よりも抜きんでたスキルを持つことの例えとなります。
つまり、人よりも優れていることをあらわしているということになります。
やんごとなき
「やんごとなき」とは、高貴の身分を指す古語です。
止むことがないという意味を持つ言葉ですが、そのままにしておけないことやそのままにしておけないほど尊いという意味で用いられるようになりました。
そこから派生して、高貴な身分や家柄であるといった意味の単語になったのです。
御歴々
「御歴々」は、地位の高い立派な人たちの集まりのことを言います。
「歴々」でも同じ意味なのですが、頭に「御」をつけずに用いられることはまずありません。
複数の人たち、団体に用いるもので、特定の個人を指す際には使用されません。
その点では、単数形にも使用できる「れっきとした」とは用法が異なります。
まとめ
「れっきとした」は、確かなものとして世間などから認められていることを指す表現です。
また、身分や家柄などが立派であることを表現する際にも使用されます。
その由来は「歴」という漢字から来ているとされています。