歯がゆいことをあらわす「隔靴掻痒」、その意味や由来、その類義語は?

歯痒いことを四字熟語で「隔靴掻痒(かっかそうよう)」と表現します。
これら「隔靴掻痒」は核心に触れずことができずにもやもやすることを言った表現となっています。
しかし、なぜそれが「隔靴掻痒」なのでしょうか?

今回はそれら「隔靴掻痒」という言葉について解説します。
特にここでは意味をまとめる他、成り立ちや類義語についても説明します。

「隔靴掻痒」とは

まずは「隔靴掻痒」とはどのような言葉なのか見てみましょう。

「隔靴掻痒」の意味

「隔靴掻痒」とは歯痒く思うことの例えです。
特に核心に触れることができずにもやもやすることを言います。

なお、これは足が痒くて靴の上から掻くようにもどかしい様子を意味する言い回しでもあります。

実際に靴の上から足を掻いたところで痒みは静まりません。
それどころか思い通りにならないので気持ち悪いです。

そこから転じて、核心に触れられずもやもやと歯痒い思いをすることを意味するようになったとされています。
実際に思い通りにならずにやきもきすること全般を意味することもあります。

他にも物事が不徹底で苛立ちを覚えることなども意味するようです。

「隔靴掻痒」の成り立ち

ここからは「隔靴掻痒」の成り立ちについて見ていきましょう。

「隔靴掻痒」の由来

「隔靴掻痒」は古代中国の仏教関連書物から来ています。

中でも「無門関」や「景徳伝灯録」にある一節から生まれたとされています。
他にも「続伝灯録」や「徂徠集」にも似たような記述があるとか。

これら複数の出典から広まったのではないかと考えられています。

ちなみに「隔靴」は靴による隔たりを意味するそうです。
また「搔痒」は掻くことと痒いことを意味しています。

そこから生まれたのが「隔靴掻痒」という表現です。

「麻姑掻痒」は思う通りに物事が進むこと

「隔靴掻痒」には真逆の意味を持つ言葉もあります。
特に痒いところを掻いて非常に気持ちが良いことを「麻姑掻痒」と表現します。

これが「隔靴掻痒」の対義語となるのではないでしょうか。
事実「麻姑掻痒」は思うままに物事が運ぶことの例えとして使用されることが多いです。

そこは似たような四字熟語としてセットで覚えておきましょう。

「隔靴掻痒」の類義語

最後に「隔靴掻痒」の類義語についても見ておきましょう。
「隔靴掻痒」の類義語としては「二階から目薬」や「掉棒打星」などがあります。

二階から目薬

「二階から目薬」とはなかなか思うような結果にならずもどかしいことの例えです。
また、やり方があまりにも遠回しで効果がおぼづかないことの例えとしても使用されます。

これらは文字通り2階にいる人が1階もしくは階下にいる人に目薬をさそうとするような様子から来ています。
当然、2階から目薬をさそうとしたところでうまくいくわけがありません。

そのような状況を指して「二階から目薬」と表現するようになったと考えられています。
それらもどかしいという点が「隔靴掻痒」と似ています。

掉棒打星

「掉棒打星」とは思い通りにならずもどかしいことの例えです。
また、現実的に不可能なことに無駄に労力を費やすことの例えとしても使用されます。

これらは棒を振って夜空の星を落とそうとするような様子から来ているのだとか。
もちろん、いくら棒を振ったところで星が落ちてくるわけもありません。

そのような状況を表して「掉棒打星」と表現するようになったそうです。
それらもどかしいという点が「隔靴掻痒」と同じです。

まとめ

「隔靴掻痒」は歯痒い思いをすることの例えとして使用されます。
特にこれらは痒いところを靴の上から掻こうとするも、隔たりがあって思い通りにいかないことを意味しています。
それら歯痒さを言った四字熟語、それが「隔靴掻痒」です。

現代の生活でも「隔靴掻痒」のような状況は多々あります。
そのため、ぜひこの四字熟語は覚えておきたいところです。

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