
いらないことをあらわす「ふよう」には、「不要」と「不用」の表記があります。
この「不要」と「不用」は、同音異義語の中でも意味合いも似ているため、違いがわかりにくい言葉となっています。
その違いを見る上で判断材料としやすくなるのが対義語です。
なぜなら、「不要」と「不用」は対義語が異なるからです。
そこでここでは、同音異義語である「不要」と「不用」について見ていきましょう。
目次
「不要」とは

まずは「不要」の意味や用い方、対義語について見ていきましょう。
「不要」の意味
「不要」とは、必要がないことを指す言葉です。
ここで注意が必要なのが、使用しないのではなく必要がないのでいらないものであるということ。
そして、必要のないもの全般に対して用いることができるという点です。
「不要」を用いた例文・解説
「車を運転しないなら、免許は不要なのでは」。
これは、車を運転しないのだから、免許を取得、維持していることの価値が無いだろうことを指して「不要」という表現を用いています。
不要の対義語は「必要」
不要の対義語は、なくてはならないことをあらわす「必要」です。
不要を、不必要の略として認識すると把握しやすいかもしれません。
「不用」とは

「不用」の意味や用い方、対義語についても見ていきましょう。
「不用」の意味
「不用」とは、使用しないことを言います。
必要ないのではなく、使用しないのでいらない存在に対して用いられます。
この「不用」は、役に立たないという意味で使用されることもあります。
「不用」を用いた例文・解説
「不用となったテーブルを処分する」。
これは使わなくなったテーブルを破棄することにあらわしています。
新しいテーブルを購入したので使わなくなったのか、そもそも生活サイクル的に使うことがなくなったのかもしれません。
このように「使用しないもの」の表現として使用される言葉です。
不用の対義語は「入用」
不用の対義語は、特定の用事を済ませる際に必要となる存在や物をあらわす「入用」となります。
用があるのが入用で、用がないので不用ということになります。
他にもある「ふよう」

「ふよう」と読まれる漢字は他にもあります。
ここからは、「不要」と「不用」の同音異義語について見ていきましょう。
扶養
「扶養」とは、経済的に自立していない親族を養うことをあらわす言葉です。
両親や祖父母をはじめ、配偶者や子供などに対して経済的な援助を行うことを指します。
親族を養っている人を「扶養者」と呼び、養われている人は「被扶養者」と呼ばれます。
芙蓉

「芙蓉」は、アオイ科の植物です。
晩夏~初秋にかけて、大形かつ紅白の花を咲かせます。
観賞用に庭園などに植えられることの多い花となっています。
これらは蓮の花の美称ともされることから、木芙蓉と呼ばれることもあります。
浮揚
「浮揚」は、浮かび上がることや浮かび上がらせることをあらわす語句です。
水面や空中に浮かんでいる状態についても用いられます。
「景気の浮揚が期待される」のように、抽象的な存在に対しても使用されます。
まとめ
いらないことをあらわす「ふよう」には、「不要」と「不用」の2つの漢字表記があります。
この2つは同音異義語なので、対象が異なります。
「不要」は必要のないことに、「不用」は使用しないことに用います。