十二指腸潰瘍など、怖い病気の名前でよく耳にする「十二指腸」。胃腸のどこかの部位というイメージはあるかもしれませんが、どこにある部位なのか、そして何故そんな名前で呼ばれているのかは知らないという方の方が多いはず。
今回は、親しみのある名前ながらどこか謎めいた部位・十二指腸の名前の由来について詳しく解説します!
目次
十二指腸とはどこの部位?
出典:Wikipedia
十二指腸は、胃と小腸をつなぐ部分の消化管を指す言葉です(図の3の部分)。胃で消化された食べ物を小腸に送り込む重要な役割を持っている部位なんです。
全体の形はローマ字の「C」のような形で、すい臓ともつながっているのでたんぱく質を分解する役割なども持っています。
十二指腸の名前の由来は?
それにしても不思議な名前の「十二指腸」。その名前の由来は、その長さにありました。
由来はその長さから
十二指腸は、もともとその全体の長さが人間の指を12本並べたぐらいであるとされたことから名づけられた名前です。
元々はラテン語に由来
十二指腸について初めて言及された書物が、あの有名な「解体新書」。日本初の西洋医学翻訳書である「解体新書」に、「十二指腸は其の長さ十二の指の横径の如くして、胃の下口に接す」と書かれているそうです。
本当に12本の指の幅なの?
でも実は、「解体新書」の十二指腸についての記述には、疑惑があるようなのです。
十二指腸、実際には25~30㎝!?
指を12本並べた程度の長さであると記された十二指腸。でも実際の長さは、25~30㎝程度だとされています。
この長さだとすると、平均的な指12本の長さよりもやや長くなってしまいます。平均的な指の太さなら15本程度、“十五指腸”くらいになってしまうかもしれません。
どうやら、かなり太い指じゃないと十二指腸にはならないようです。
解体新書の誤訳という説も?
十二指腸の長さに関しては、「解体新書の誤訳ではないか」との説もあるそうです。
解体新書を誤訳したという説もある!
日本初の医学書の翻訳書である「解体新書」。なんたって初めてなので、誤訳も少なくないとされているようです。
そのため、十二指腸も誤訳である可能性があるとの説もありますが、これはあくまでも俗説。根拠はなく、ラテン語の原文をそのまま日本語訳しているので誤訳というわけではないとされています。
ただ、実際の長さはどう考えても“十二指”ではないのは確かですね。
【まとめ】十二指腸の由来は長さから?
その長さから名前が付けられたとされている十二指腸。「解体新書」の時代からある古い言葉ですが、謎めいた部分が多いようです。
言葉の語感としては、「十五指腸」よりも「十二指腸」の方がしっくりきますけどね……。
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出典:Wikipedia(十二指腸) / Wikipedia(解体新書)