「老舗」の読み方はなぜ「しにせ」になるの?その由来をご紹介!

歴史や伝統のあるお店のことを「老舗」と表現します。
この漢字表記は「しにせ」と読まれることがほとんどです。
しかし、なぜ「老舗」と書いて「ろうほ」ではなく、「しにせ」と読むのが一般的なのでしょうか。

ここでは、そんな不思議な読み方をする「老舗」という言葉について見ていきましょう。

老舗を「しにせ」と読む理由

 

まずは「老舗」をなぜ「しにせ」と読むのか説明します。
実はこれ、表記が当て字だからなのだとか。

「老舗」とは

「老舗」とは、代々続いて同じ商売をしている格式や由緒のあるお店のことです。

先祖代々受け継がれる家業を守り継ぐこともあらわします。
近年では、一代で築いたお店であっても、歴史的かつ伝統的な要素を含むお店は「老舗」と呼ばれることがあります。

「老舗」と書くのは当て字

「老舗」の一般的な読みは「しにせ」です。
その語源は「為似す(しにす)」という言葉にあります。

江戸時代、商人が家業を代々続けていく秘訣は「先代を真似る」こととされていたそうです。
そのため、家業を継ぐ者が先代の仕事を隅々まで観察して自ら再現することが鉄則とされてきました。
先代も後継者に「とにかく技を真似ろ」と言って育てたわけです。

この「真似る」という行為を、当時は「為似す(しにす)」と表現していました。
それが「しにせ」という言葉として現代に残ったと考えられています。

本来「老舗」の「老」は「し」や「しに」と読むことはできません。
同じく「舗」もそれ単体では「にせ」や「せ」とは読めません。

しかし、「老舗」という表現のときだけは、独自の読みをします。
これは、「しにせ」という読みが先にあっての、当て字表記だからこその読みとなります。

「ろうほ」と読むのは間違い・・・ではない!

「老舗」という表記をした際、漢字だけを見た際の読みは「ろうほ」です。
この読み方自体はあまり一般的ではないですが、決して間違いではなく、正しい読みの1つとされることもあります。

漢字は当て字の「老舗」ですが、その当て字から「ろうほ」と読んでも差し支えはないということになります。

日本は老舗がたくさん!

日本には、「老舗」と呼ばれるお店がたくさんあります。
会社や企業も含めると実に数万社以上あるというデータもあります。

100年以上続く会社は30,000社以上?!

日本には100年以上続く企業が30,000社以上あるとされています。
中には創業200年を超えるような企業もたくさんあるのだとか。

欧米にも100年以上続く企業はありますが、日本ほどの数はないそうです。

世界最古の企業も日本にある

日本には、西暦578年創業の世界最古の会社があります。
それが、神社仏閣建設を手掛ける株式会社金剛組です。

金剛組は、四天王寺建立のために聖徳太子によって百済より招かれた3人の宮大工の1人、金剛重光により創業された組織です。
2005年に建設大手の高松建設グループに買収されたものの、今でも多くの宮大工を抱えています。

まとめ

「老舗」は、「為似す(しにす)」という言葉から転じた「しにせ」に当て字をした漢字表記です。
そのため、「し」「しに」という読みのない「老」という漢字から始まります。
しかし、「老舗」という漢字表記を由来として「ろうほ」という読みをされることもあります。

これは、歴史や伝統のあるお店や企業などを指す言葉となります。

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