コッペパンの「コッペ」とは何のこと?どこから伝わったパンなの?

給食などで馴染みがある方も多いパンの「コッペパン」。
具材を挟んでサンドイッチ状にしたり、揚げパンにしたりといった食べ方がされますよね。
しかし、このコッペパン、なぜ頭に「コッペ」と付いているのでしょうか?

そこでここでは、このコッペパンについて見ていきましょう。

コッペパンは日本生まれ!

 

実は日本生まれのパンと考えられているコッペパン。
ここでは、まずコッペパンがどのようなパンなのか見ていきましょう。

日本初のパン焼き窯が作られたのは江戸時代

日本でまず最初のパンが作られたのは、江戸時代とされています。

最初にパンを焼いたとされるのは、江戸時代後期、伊豆韮山の代官として活躍した江川太郎左衛門という人物だとされています。
軍学者でもあった彼は、国防を考える中で戦時用の携帯食として米ではなくパンを用いることに注目し、日本初のパン焼き窯を作りました。
そして、その焼き窯で「兵糧パン」が焼かれたのです。

しかし、この兵糧パンはパンと言っても現在のようにフワフワ食感のパンではありません。
全粒粉・砂糖・卵で作ったビスケット状の硬いパンで、軍事用の携帯食なので水分も極力減らされていたものになっています。

また、この時代は冷蔵庫もなかったので、パンを発行させるのに必要なイースト菌が日本では用意できなかったともされています。

コッペパンは日本人が開発した!

コッペパンの原形は、大正時代のパン職人・田辺玄平が開発したという説があります。
彼は、日本の製パン技術の普及にも貢献した人物とされています。

1901年、彼はアメリカでパン製造技術を学ぶために留学し、1910年に帰国すると食パン工場を1913年に創業しました。
その後、1919年に日本陸軍へ納入するために食パン生地をつかった小型のパンを開発ました。
このパンが、現在のコッペパンの原型となったのではないかと考えられています。

彼が私財を投じたことで日本国内でもドライイーストを完成させたほか、多くの弟子を抱え製パン法を伝授したことで、暖簾分けされた『丸十製パン』というパン屋が全国にあるそうです。

コッペパンの「コッペ」の由来

 

ここからは、なぜ「コッペ」パンというのか、その由来について見ていきましょう。

フランス語を由来とする説

「コッペ」は、フランス語で「切り込み」を意味する「クペ(coupe)」から来たという説があります。
それが訛って次第に「コッペ」になったのだとか。

コッペパンは、出来上がりを確認する際に切れ込みを入れることから来ている、切れ込みを入れてから焼き上げるバケットに似ている事に由来するなどの説があります。

ドイツ語が由来とする説

ドイツ語で、コッペとは「山」「丘」を意味する言葉です。
そこから、コッペパンが山や丘のように見えるので「コッペパン」という名前になったという説があります。

コッペパンが普及した理由

 

今でこそコッペパン専門店があるほど普及したコッペパンですが、普及したのは第二次大戦中もしくは戦後とされています。

戦時中は配給品の対象だったコッペパン

コッペパンは、戦時中に配給品の対象とされ、一食につき1つ相当とされていました。
第二次世界大戦中から戦後にかけて米の代用品とされたことで。主食として口にすることになる市民も多くいました。

戦後の学校給食に採用されたコッペパン

コッペパンは戦後、学校給食としても採用されました。
1950年頃から多くの学校で広まったとされています。

コッペパンは栄養もあり、米と違って調理も簡単です。
それでいて運搬や保管も米に比べて簡単でした。

しかも、材料となる小麦と脱脂粉乳は進駐軍が放出するララ物資でまかなえます。
こういった事情がいくつも重なった結果、コッペパンは学校給食として提供されることが増えたとされています。

まとめ

コッペパンは、給食でも馴染み深いパンです。
戦後に進駐軍が放出する材料で作ることができたことから、学校給食で採用されるようになったことで普及したとされています。

このコッペパンの「コッペ」にはフランス語の「切れ込み」やドイツ語の「山」「丘」などから来ているとされていますが、日本発祥のパンとされています。

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