
騙されないように用心することを意味する「眉唾」、そして真偽不明のものを指す「眉唾もの」。
この2つの言葉はどのようにして生まれたのでしょうか。
ここでは、この言葉の意味や成り立ち、そして類義語について見ていきましょう。
目次
「眉唾」と「眉唾もの」とは

「眉唾」と「眉唾もの」、この2つが指すもの、その意味をそれぞれ見ていきましょう。
「眉唾」の意味
「眉唾」は、騙されないように用心することをあらわす言葉です。
自分が騙されないように気をつけることに対して用いられます。
「眉唾もの」の意味
「眉唾もの」は、騙される恐れのあるもののことです。
信用できない存在や寝具不明な存在に対して用いられます。
「眉唾」と「眉唾もの」の由来

「眉唾」と「眉唾もの」、その由来となるのは同一の言い伝えです。
その成り立ちについて、ここからは見ていきましょう。
言い伝えが起源
「眉唾」は「眉唾もの」の略として生まれた言葉とされています。
そして、この「眉唾もの」は古くから語り継がれていた言い伝えから来ています。
その昔、タヌキやキツネは人を化かし、騙してくる存在だとされていました。
タヌキやキツネに騙されないようにするには、眉毛につばを塗っておけばいいと言い伝えられていました。
この言い伝えから、騙してくる存在という意味合いで「眉唾もの」という表現が生まれ、そこから騙されないように用心することを「眉唾」という言い回しが発生したと考えられています。
「眉唾」と「眉唾もの」の類義語

ここからは、「眉唾」「眉唾もの」の類義語について見ていきましょう。
「眉唾」の類義語は「人を見たら泥棒と思え」
「眉唾」の類義語としては、「人を見たら泥棒と思え」などがあげられます。
「人を見たら泥棒と思え」は、人を簡単に信用してはいけないという意味です。
知らない人は疑ってかかれという教えや戒めとしても使用される事もあります。
「眉唾もの」の類義語は「胡乱」
「眉唾もの」の類義語には「胡乱」などがあげられます。
「胡乱(うろん)」は、正体が怪しい人間や物事のこと。
うさんくさい存在に対しても使用されます。
まとめ
「眉唾」と「眉唾もの」、どちらもキツネやタヌキが人を化かしてくる存在だとされていたことから来た言葉です。
キツネやタヌキに騙されないようにするためには、眉毛に塗ればいいとされたことに由来する表現となっています。