「換骨奪胎」とはどんな意味の四字熟語?どんな時に用いる言葉?その類義語は?

詩文の発想や表現を取り入れることを「換骨奪胎(かんこつだったい)」と表現します。
これらは先人が培ったものを取り入れて新しいものを作っていくことの表現として使用されます。
しかし、なぜ「換骨奪胎」という四字熟語なのでしょうか?

今回はそれら「換骨奪胎」という言葉について解説します。
ここではその成り立ちと類義語についても説明します。

「換骨奪胎」とは

まずは「換骨奪胎」の意味について見ていきましょう。

「換骨奪胎」の意味

「換骨奪胎」とは詩文の発想や表現を取り入れることを言います。
特に先人が培ったものを参考にして自分に活かすことを言います。
それだけでなく、そこから創意工夫を加えて新たに独自の作品を作ることも意味する四字熟語です。

現代では他人の着想などをうまく活用して自分だけのものを作るという意味で使用されることも多いです。
要は他のものを参考にしつつもオリジナルのものを作ることを言う表現となっています。

これらは文字通り、骨を取り換え胎盤を奪い取って自分のものとする話から来ているのだとか。

「換骨奪胎」の用い方

「換骨奪胎」は過去のものを参考に新たなものを創作する際に使用します。

こと詩文などにおいて使用されることの多い言葉だったそうです。
実際に昔は古人の詩文にある発想や表現、内容や思考を参考にすることを言ったとされています。

それが現代ではもともとの作品から新しい作品に作り替えることを言うようになったと考えられています。
今では他人の作品の一部を作り替えて新しいもののように見せかける意味で使用されることも多いです。

模倣との違い

「換骨奪胎」と似た表現に「模倣」という言葉があります。
しかし、これらは厳密には微妙に違う言葉となります。

主に「換骨奪胎」は参考にすることを言う表現です。
対して「模倣」は真似することを言う言葉となります。

これは似て非なるものと言えるのではないでしょうか。
「換骨奪胎」はオマージュやリスペクトのニュアンスが強いです。
その一方で「模倣」はコピーやパクリの意味合いが強いのではないでしょうか。

その違いについてはきちんと理解しておきたいです。

「換骨奪胎」の由来

では「換骨奪胎」はどこから来たのでしょうか。
ここでは「換骨奪胎」の成り立ちについてまとめます。

「換骨」とは

「換骨」は凡骨を取り去って仙骨に取り替えることを言います。

凡骨は平凡な才能や素質のことを意味する言葉です。
仙骨は脊柱の一番下にある大きな逆三角形の形をした骨を意味します。

つまり、どこにでもある平凡なものを絶対的必要不可欠な仙骨に取り替えることを言ったのが「換骨」という言葉です。

「奪胎」とは

「奪胎」は胎盤を奪って生まれ変わらせることを言います。

胎盤とは着床後、子宮内にできる円盤状の器官のことです。
これは当然ながら奪って生まれ変わらせることなどできません。
しかし、現代では作品の焼き直しというような意味で使用されます。

つまり、他人の作品を参考にして新たなものに生まれ変わらせることを言ったのが「奪胎」となるわけです。

由来は道教の言葉から

「換骨奪胎」はもともと修練をして根本から仙人に生まれ変わることを言う道教の言葉だったとされています。

転じて「換骨」は詩文の発想や表現の意味を変えずに字句を変えることを言うようになったとされています。
さらに「奪胎」は詩文の内容や思考を取って作りかえることを言うようになったとされているそうです。

「換骨奪胎」の類義語

最後に「換骨奪胎」の類義語について見ていきましょう。

点鉄成金

「点鉄成金」とは他人の作った平凡な文章に手を加えて非凡な作品にすることを言います。

これは仙人の術に例えた言葉の一種だったとされています。
事実、鉄に手を加えて金に変えるということから来ているとか。

それらの点が「換骨奪胎」に通ずるのではないでしょうか。

温故知新

「温故知新」とは過去のことを研究して新しい発見や道理を見つけ出すことを言います。
中でもこれらは古いものや昔のことを知ることによって新しい事柄を見出すことも言うそうです。

要は既存のものを調べてアップデートすることを言う言葉です。
それらの点が「換骨奪胎」と重なるのではないでしょうか。

まとめ

「換骨奪胎」は詩文の発想や表現を取り入れることを言います。
これらは先人が培ったものを取り入れて新しいものを作っていくようなニュアンスを持つ言葉として使用されています。
しかし、現代では「模倣」という意味合いで使用されることも多いです。

その一方で「模倣」とは若干異なるので、そこは参考にしているのか真似ているのかという違いで使い分けましょう。

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