今年は湘南沿岸にも大量に打ち上げられ話題となっているカツオノエボシ。
その見た目は青く透き通っていて綺麗ですが、毒を持っているのでむやみに近寄ってはいけない生き物です。
「電気クラゲ」という別名もあることから、一般的にはクラゲの仲間と思われているカツオノエボシ。
しかし実は、まったく違う生き物なのだとか!?
目次
「カツオノエボシ」とは
まずは、カツオノエボシがどこに生息しているのか、そして大きさや名前の由来について解説します。
カツオノエボシの生息域
カツオノエボシは太平洋、大西洋、インド洋など世界中の暖かい海洋に生息しています。
1,000体以上の大群になって浮かぶことで移動します。
自力で進むことがほぼできないので、波にのって流されて移動します。
そのため、時々砂浜に打ち上げられてしまう事もあります。
カツオノエボシという名前の由来
カツオノエボシの名前は、三浦半島や伊豆半島で、カツオがやってくる春先になると黒潮に乗って姿をあらわすようになることに由来します。
青く透き通った浮き袋の見た目が、昔の貴族などがよく被っている帽子「烏帽子」に似ていることもあって、「カツオノエボシ」と呼ばれるようになりました。
その大きさ、最大なんと50m?!
カツオノエボシはかなり大きくなる生き物です。
浮き袋から伸びた触手は平均して10mほどはあり、長いものだと50mにもなるのだとか!
実はクラゲではない?
このカツオノエボシ、電気クラゲという別名やその姿からクラゲの仲間と言われることが多いですが、実はクラゲとはまた違う海洋生物なのだともされます。
ヒドロ虫に分類され鵜「カツオノエボシ」
カツオノエボシはクラゲではなく、「ヒドロ虫」と言われる生き物の一種です。
刺されると強烈な痛みがあることから「電気クラゲ」と呼ばれたり、「ヒドロ虫綱クダクラゲ目カツオノエボシ科」の分類されるためクラゲと混合されます。
しかし、クラゲというのは実は一種類の生物の分類ではありません。
ヒドロ虫綱・十文字クラゲ綱・箱虫綱・鉢虫綱に分類される海洋生物がクラゲと呼ばれる傾向にあるのだとか。
これらの種は、いずれも脳はなく、ゼラチン質の体と触手を持つという共通点があります。
そのため、カツオノエボシはクラゲとは別物と言う事もできますが、クラゲであるともいえるという事になります。
1体のように見えて実は群体
しかもカツオノエボシは、実は何体ものヒドロ虫が集まって形成された群体です。
1体のように見えますが、それぞれのヒドロ虫が触手の部分や胴の部分などとして役割を持ち、私たちがよく知る1つの個体のかたちになっているのです。
それぞれの個体が融合していて、栄養などを運搬できるようになっているのだとか!
猛毒のあるカツオノエボシ
見た目はキレイなカツオノエボシですが、猛毒を持っているので注意しましょう。
別名は「電気クラゲ」
クラゲではないともされるカツオノエボシですが、刺されると電気ショックを受けたような痛みを感じるため、「電気クラゲ」とも呼ばれています。
1回だけでなく、2度目に刺されるとアナフィラキシーを起こし、ショック死することもあるそうです!
カツオノエボシに刺された際は・・・
カツオノエボシに刺されたら、海水で触手を洗い流しましょう。その際には素手で触手に触れないようにしましょう。早急に病院で診てもらいましょう。また、同じく毒クラゲとして有名なハブクラゲに刺された場合の対処法の酢をかけるというのはハブクラゲに対しては逆効果ですので絶対にやらないようにしましょう!真水も逆効果になってしまいますので、流すのは海水にしてください。
触手を剥がす以外はくれぐれも触れないようにしましょう。
死んだカツオノエボシも毒性が残っており危険ですので、絶対に触らないよう注意してください。
まとめ
カツオノエボシは、カツオのやってくる時期に黒潮に乗ってやってくること、姿が昔の貴族などが付けていた烏帽子に似ていることから付けられた名前です。
「電気クラゲ」という別名があり、その触手に刺されると名前の通り電気が走ったような痛みを感じるのだとか。
もし刺されてしまったら、真水などで洗わないようにして早急に病院で看てもらう必要があるそうです。
ちなみに、「電気クラゲ」という別名がありますが、ヒドロ虫の群体なので厳密にはクラゲではないんですね。