「池」「湖」「沼」この3つの違いとは?違いに明確なルールはあるの?

2019.7.18


日本各地には有名な池や湖、沼がありますよね。観光地になっていたり、地元の人の憩いの場であったり…。

そんな池や湖、沼にはそれぞれ何が違うのでしょうか?池は湖より小さい気がしますし、沼は湖と違い泥っぽいイメージがありますが、それぞれの特徴や定義はどうなのでしょうか?

そんな実はよくは知らない「池」「湖」「沼」の違いを今回は調べてみました!

『池』と『湖』と『沼』違い


まず、辞書と環境省そして国土地理院の説明から池と湖、沼の違いを調べてみました。

池と湖と沼のそれぞれの辞書での意味


「池」の意味

① 地面を掘って、水をたたえたところ。主に庭園に風趣を添えるためにつくる。 
② 地面にできたくぼみに水のたまったところ。普通、湖沼より小さいものをいう。

出典:weblio.jp

「湖」の意味

周囲を陸地で囲まれたくぼ地で水をたたえた所。池や沼よりも大きく、沿岸植物が生育できない深い湖盆(5メートル以上)をもつもの。

出典:weblio.jp

「沼」の意味

一般に、水深5メートル 以内の水域。水草が茂り、透明度が低い。湖との区別は明確でない。

出典:weblio.jp

大きさは「湖>沼>池」といった感じでしょうか。そこはイメージ通りですが、湖と沼の違いは大きさよりも「深さ」にあるようですね。そんな違いがあることを初めて知りました!

環境省での説明

環境省によると、定義は法令上では決められていないとしたうえで、一般的な意味をこのように説明しています。

湖沼:「みずうみ」(四面を陸地でかこまれて中に水をたたえたもの。池・沼などより大きく中央部に沿岸植物の侵入を許さない深度(5~10 メートル以上)を持つもの。)と「ぬま」(一般に、深さ五メートル以下で底は泥ぶかく、クロモ・フサモなどの沈水沿岸植物が生えている湖沼をいう。湖とは厳密には区別されていない。)の総称

出典:env.go.jp

国土地理院での説明

国土交通省には測量行政を行う『国土地理院』という組織があります。そこでは湖、沼そして池について下記のように説明しています。

湖沼等の用語については,厳密に区分することは困難ですが,スイスの湖沼学者フォーレル(1841-1912年)は,湖沼の深さと水中植物の分布状況から次のように区分しています. 
 
湖:水深が大きく,植物は湖岸に限られ,中央に深い所には沈水植物を見ないもの 
沼:湖より浅く,最深部まで沈水植物が繁茂するもの. 
池:通常,湖や沼の小さなものをいい,特に人工的に作ったもの 
上記の定義による代表的な例には 
 
湖・・・琵琶湖,摩周湖,田沢湖等 
沼・・・印旛沼,伊豆沼等 
池・・・満濃池等 
などがあげられますが,地域の資源としてイメージアップするなど,呼称の変更(沼 → 湖)もあり,旧地名から考察する必要もあります. 
 
また,ダムによってできた池でも「○○湖」と名前がつけられており,地図では,上記の区分と関係なく,その土地で実際に呼ばれている名称が記載されています.

出典:gsi.go.jp

この説明を読んでみると、区分はされていますが、名称に関しては適用外のものもあるようですね!

池と湖と沼はここが違った!

辞書と環境省、国土地理院の説明から、このように考えられそうですね!

池は湖沼より小さい水溜り、若しくは人工的に作ったもの。

沼は水深5m以下で沈水植物が水底で育っているもの。

湖は水深5m以上で、沈水植物が水底で育たないもの。


最初に定義したのは「地所名称区別細目」

「地所名称区別細目」とは?

明治9年(1876年)に初めて日本で湖沼についての定義付けがされました。それは「地所名称区別細目」という官有地と民有地の区別の詳細に関する法律の中でのことでした!

「地所名称区別細目」での湖沼の定義

では「地所名称区別細目」の中で湖沼がどのように定義されていたのでしょうか?

湖卜称スルモノハ天造ニシテ水ノ陸地内ノー所ニ湊溜シ広クシテ深キモノ 沼卜称スルモノハ其ノ形容湖ニ近キモノナリ 其ノ名称ヲ異ニスル所以ハ唯浅クシテ泥アルヲ以テナリ

出典:env.go.jp

湖は人の手で作られたのではなく、天然のもので陸地内で水を一か所に貯めているもの。沼は湖に近いけれども、湖よりかは浅く泥が湛えているもの。としたみたいですね!

これ以前は特段ルールもなく池も湖も沼も勝手に名前が決められていたそうですよ。

例外だらけ?定義と違う名前の池や沼


区分とは関係なく、実際には定義外の名前が付いている池、湖、沼は多くあります。そこで全国にある定義外の代表的な池、湖、沼をご紹介します!

分類上は湖のはずの池や沼


【湖山池】

鳥取県鳥取市にある日本最大の「池」です。もともとは日本海から湾入した海岸でしたが、沿岸部の湖山砂丘が発達したことで海と分離された海跡湖です。面積は約7㎢。最大水深は6.5mにもなりますので、成り立ちからも本来であれば『湖』と称されるはずなのですが、『池』と名付けられています。

【鰻池】

鹿児島県指宿市にある火口湖です。火口湖とは元が火山の火口だった場所が時間の経過とともに水が溜まりできた湖のことだそうでう。面積は1.2㎢、水深はなんと56.5mありますので『湖』のはずなのですが、こちらも『池』と称されています。

【菅沼】

群馬県利根郡片品村にある湖沼になります。本州屈指の水の透明度を持つ湖沼だそうです!周囲長は6.5㎞あり、深さは最大で75mにもなるそうです!広さも深さもあり、水も綺麗ですと『湖』なのでは、と思うのですがこちらは『沼』と呼ばれています。東日本では『湖』より『沼』と称されることのが多いそうです。

分類上の池のように見える湖!


【白竜湖】

山形県南陽市にあるかつての置賜盆地に広がっていた湖の名残だそうです。年々泥などが堆積されるため水深は年々浅くなっており、現在では1mほどしかないそうです。水深が浅すぎるので本来は『沼』、場合によっては『池』と呼ばれていてもおかしくありませんよね。

正式名称は別にある?通称で湖と付く貯水池


【多摩湖】

東京都東大和市にあり、正式には「村山貯水池」という貯水池だそうです!「多摩湖」は通称だったのですね!!

分類上は湖だけど池とも湖、沼も付かない湖


【霞ケ浦】

茨城県南東部に広がる、日本第二位の広さを持つ湖になります。湖ですが『沼』でも『池』でもなく「浦」となっています。この「浦」ですが、海の入り江をあらわすそうです。実際1963年に治水工事が竣工するまで「霞ケ浦」は海水と交わる汽水湖だったそうです。霞ケ浦は古くには「内の海」とも呼ばれていたそうで、太平洋からの入り江の海として考えられていたようですね!

【中海】

島根県松江市、安来市と鳥取県境港市、米子市にまたがる湖です。日本海に開いた湾の入り口が発達した砂州で塞がれたことで湖です。あくまでも湖なのですが、もともと海だった湾の一部だったこともあってか中海と呼ばれているようですね!

汽水湖は湖ではない?


霞ケ浦や中海の説明で出てきた「汽水湖」ですが、厳密には湖では無い!?のかもしれません。

汽水、そして汽水湖とは

なぜ汽水湖が湖と呼べないのでしょうか。それは汽水湖の意味にありました!まず、汽水湖の「汽水」とは何のことでしょうか。辞書にはこのように書かれています。

海水と淡水とが混じり合っている塩分濃度の低い水。

出典:weblio.jp

外海と面している個所があり、そこから海水が侵入することがある湖が汽水湖となるようです。

しかしそれですと環境省の説明にあった「四面を陸地でかこまれて」が成り立たなくなってしまいますよね。厳密にいうと汽水湖は湖では無い……はずなのですが、実際には先に紹介した中海や、その隣のシジミで有名な宍道湖、ウナギの浜名湖なども汽水湖ですが、湖沼としてカウントされています。

なので、汽水湖は「汽水湖」なのです!

まとめ

辞書や環境省、国土地理院の説明では定義付けされていましたが、実際は異なるものも多かったですね!

湖といって差し支えない規模であっても池や沼という名前だったり、湖となっていますが実際は小さかったりため池であったりするものもありました。汽水湖は海水が入ってくるようになっていましたよね!

これは明治以前には名付けのルールさえなかったから、さらにはいまだに明確に定義化されていない、法律で定められていないこともあるのかもしれませんね。

併せて知っておきたい言葉の雑学

他にも言葉の雑学についての記事がありますので、そちらもご覧ください。

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出典:weblio.jp / env.go.jp / gsi.go.jp

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